【Bリーグ】北海道、信頼回復へ緊急薬物講習会 大麻取締法違反事件

スポーツ報知
アンチドーピングの緊急講習を受ける選手たち

 主力だった外国人選手の逮捕が明らかになったプロバスケットボールBリーグ1部(B1)レバンガ北海道は25日、“信頼回復”に努めた。米国人選手のグレゴリー・ウィッティントン容疑者(24)が大麻取締法違反(輸入)の疑いで23日に逮捕され、契約解除に。チームは事件発覚翌日のこの日、栃木2連戦(27、28日・栃木)に向けて練習を公開したが、終了後には急きょ、選手らを対象にアンチドーピング講習を開いた。

 元チームメートの逮捕に揺れるチームが、信頼回復へ素早く動いた。25日の練習後、元スケート五輪代表で日本アンチドーピング機構アスリート委員の鈴木靖氏(55)を招いて薬物使用などに関する緊急講習会を開いた。

 前節まで一緒にプレーしていたウィッティントン容疑者が、昨年11月下旬に乾燥大麻草約7グラムを隠した小包を米国から自宅宛てに発送して密輸した疑いで、北海道厚生局麻薬取締部に逮捕された。横田陽CEO(41)は「たった1人、たった1回の過った行動で全部が壊れてしまう。再発防止を徹底したい」と急きょ開催した理由を説明。鈴木氏は、最近問題となったロシアの集団ドーピングや、日本のカヌー選手の禁止薬物混入事件などを挙げながら、自己管理の重要性を説き、選手は神妙に聞き入った。

 寝耳に水の薬物問題に加え、現場にも“緊急事態”が発生。前節、右足故障で欠場し、この日も別メニューのフォワード・野口大介(34)に加え、今季好調のガード・牧全(25)が体調不良、松島良豪(25)も腰痛で練習不参加に。前節まで13選手での練習だったが、9人になってしまった。

 チームは円陣を組み、栃木戦に向け結束を固め、練習に集中。水野宏太HC(35)は「非常に残念なことだが、我々は『プレーオフ以上』という目標に向け、ブレずに、全力で目の前の栃木戦に集中するだけ」と話した。多嶋朝飛主将(29)も「昨季、前半戦は7選手で戦った時期もある。強い気持ちで勝利を目指したい」と気丈に話した。エースのマーク・トラソリーニ(27)も「外国人2人になるが、ミラー(26)と体を張って勝利に貢献したい」と前を向いた。

 「人間の弱さが招いた、今回の出来事。弱みに全員が『ノー』と言えるチームになり、信頼を回復したい」と、横田CEOは再出発を口にした。(小林 聖孝)

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