大坂なおみ、世界一撃破で初V王手!「うれしい気持ちもあるけど、寂しい気分もある」

スポーツ報知

◆テニス BNPパリバ・オープン ▽女子シングルス準決勝 大坂2(6―3、6―0)0シモナ・ハレプ(16日・米カリフォルニア州インディアンウェルズ)

 女子シングルス世界ランク44位の大坂なおみ(20)=日清食品=が、同1位のシモナ・ハレプ(26)=ルーマニア=を6―3、6―0のストレートで破る大金星を挙げ、決勝に進んだ。日本女子が現役世界1位に勝ったのは1996年の国別対抗戦フェド杯ドイツ戦で、伊達公子がシュテフィ・グラフに勝って以来(棄権勝ちを除く)で、ツアー個人戦では史上初の快挙。18日(日本時間19日)にツアー初優勝を懸けて同19位のダリア・カサキナ(20)=ロシア=と対戦する。

 相手が世界1位とは信じられないほど、大坂が、ほぼ完璧に試合を支配した。わずか1時間4分で大金星を挙げた。第2セットは1ゲームも落とさなかった。「ふ~っ」と大きく息をつき、記者会見では「(決勝に進み)うれしい気持ちもあるけど、話をする選手も少なくなってきて少し寂しい気分もある」と、独特の表現で喜びを表した。

 1月の全豪4回戦で同じ相手と対戦した時にミスから自滅したのとは別人の戦いをみせた。相手のスピンが利いた深い球を我慢して返球。無理に攻めに転じずじっくり待った。第1セット第8ゲーム、ネットインで手前に落ちた球をダッシュで拾った。鋭い返球をバックハンドのボレーで仕留めて作ったブレイクチャンスを確実に生かした。第2セットも「集中力が落ちるから」と相手は見ず自分のプレーに徹した。最後のゲームも4度のブレイクピンチを落ち着いてしのいだ。

 今季から新たにサーシャ・バイン氏をコーチに迎えた。憧れのセリーナ・ウィリアムズ(米国)の練習パートナーを務めていた同氏とは常に明るく冗談を言い合う仲。この試合のセット間も2人で笑い合い、グータッチを交わした。フィジカル面でもトレーニング担当コーチをつけて向上し、今大会からは茂木奈津子トレーナーが専属で同行。ケアを受け連戦を勝ち抜ける体になってきた。

 伊達公子以来、日本女子22年ぶりの世界1位撃破で、16年東レ・パンパシフィック・オープン以来ツアー2度目の決勝となる。念願の初優勝を懸け激突する相手は20歳のカサキナ。ツアーでの対戦はないが、同い年で互いを高め合う「新しい世代」の仲間。大会のSNSでは、大坂がカサキナから股抜きショットを教わる動画が取り上げられた。「(股抜きは)一度だけしかうまくできなかった。勝ちたいから試合ではやらない。彼女は全然違うタイプの選手。面白い試合になる」。強敵を倒し続け駆け上がった舞台で、一気に頂点をつかみとる。

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