大坂なおみ「夢がかなった」憧れ続けたセリーナ撃破!また「世界一」に土

スポーツ報知
大坂とセリーナの比較

◆テニス マイアミ・オープン第2日 ▽女子シングルス1回戦 大坂2―0S・ウィリアムズ(21日・米フロリダ州マイアミ) 

 女子シングルス1回戦で世界ランク22位の大坂なおみ(20)=日清食品=が、元1位で4大大会最多の通算23勝を誇るセリーナ・ウィリアムズ(36)=米国=を破った。前週のBNPパリバ・オープン(OP)でツアー初優勝を果たした勢いのまま、憧れの元女王にストレート勝ちし「夢がかなった」と喜んだ。日本時間24日の2回戦では同4位のエリナ・スビトリナ(ウクライナ)に挑戦する。

 3日前に初優勝を挙げたばかりの大坂が、また1つ夢をかなえた。テニスを始めたきっかけになったセリーナと1時間17分打ち合い、白星を挙げた。シングルスのツアー通算優勝数は1対72。生涯獲得賞金でも約3億円対89億円と30倍近い差がある元女王から手を差し出され「グッジョブ」と声をかけられたのが、何より「光栄」に感じた。ツアーのシングルスでセリーナに勝った日本人は10戦目で初めてだ。

 初対戦では普段とは違う緊張感が襲ってきた。最初のサービスゲームは不安定になり強烈なリターンを食らった。「これがセリーナのショットか~」。喜びと緊張とが入り交じった気持ちを感じながらも、プレーは崩れなかった。「3ゲームで自分を取り戻した。いつもと同じ対戦相手、と思って自分に集中した」

 第1セット、5―3の第9ゲームは0―40から追いつきブレイク成功。センターコートのメインイベントで地元スターへの声援が多かったが、徐々に「カモン、ナオミ」の声が増えた。セリーナの練習相手を長年務めたサーシャ・バイン・コーチは「憧れの選手との対戦は難しい。落ち着きが出て2週間前とは違う選手になった」と精神面の急成長を感じ取った。

 幼い頃から特別な存在だった。テレビに映るとプレーにくぎ付けになり、懸命に応援した。米国の公営コートで姉・まりと共に父から手ほどきを受けていると、行き交う人に「未来のウィリアムズ姉妹かい?」と声をかけられて喜んだ。姉・ビーナスと共に活躍する姿を自分たち姉妹に重ね「セリーナになりたい」と高速サーブやパワフルなショットを磨き続けてきた。

 会見を断ったセリーナは「ナオミは素晴らしい試合をしたし、私も見習うところがあった」とコメントを発表した。米国で「ベイビー・セリーナ」と呼ばれる大坂にとっては最高の褒め言葉。「私が誰だか知ってもらって、存在を印象付けたかった」という願いもかなった。優勝したBNPパリバOPでは現世界ランク1位のハレプを始め3人の1位経験者を撃破。わずか2大会で4人の“女王”に土をつけた。20歳の躍進は、マイアミでも続きそうだ。

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