張本、アジア杯で予選同組に世界1位「捨て身の気持ちで一から優勝目指す」

スポーツ報知
笑顔でポーズをとる(左から)石川、平野、丹羽、張本(カメラ・酒井 悠一)

 6日に開幕する卓球のアジア杯の組み合わせ抽選と前日会見が5日、会場の横浜文化体育館で行われた。1月の全日本選手権男子シングルスで史上最年少王者となった張本智和(14)=エリートアカデミー=は、1次リーグで世界ランク1位の樊(はん)振東(中国)らと同じ激戦のA組に入った。今大会は秋に行われる男女W杯の予選を兼ね、日本からは張本と丹羽孝希(23)=スヴェンソン=、石川佳純(25)=全農=、平野美宇(17)=日本生命=が出場する。

 4月から中学3年生になり、初のアジア杯に臨む張本に試練が訪れた。抽選で世界1位の樊振東と同組に決まり、さらにその直後に12年ロンドン五輪4強など実績十分の37歳、荘智淵(台湾)もA組に決まった。14歳は「追い打ちをかけるように」と苦笑い。1次リーグから強豪ひしめく展開に「自分にとって苦しい試合になると思いますけど、そこを耐えて勝ち抜いて優勝できるようにしたい」と表情を引き締めた。

 組の上位2人に入れば、準々決勝に進めるが、1次リーグでの世界1位との対決、勝敗はアジア王者を狙う上での試金石にもなる。樊振東とは2月のW杯団体戦の決勝で対戦し、0―3のストレート負け。「両ハンドの安定感とフォアハンドの一発で決める力はレベルが違う」。力の差を痛感させられたが「バックハンドは少し通用したと思う。バックで攻めて、相手のフォアで得点されないような展開にしたい」と雪辱を狙う。

 史上最年少で制した1月の全日本選手権以降、3月のドイツ・オープン1回戦敗退など無冠が続く。「たまに体調を崩したり、少し靴が壊れたり、ささいなことばかりだった」。不調とは捉えていないが「成績も出なくて、全日本優勝のプライドもほぼないような感じなので、捨て身の気持ちで一から優勝目指してやっていきたい」と改めて挑戦者の気持ちで臨む決意だ。

 今大会は29日開幕の世界選手権団体戦の前哨戦にもなる。「最後は気持ちの持ち方。学年も変わったので、ここから12月までずっといい成績を残せるようにしたい」。心機一転、アジアを制して世界一へ弾みをつける。(林 直史)

 ◆アジア杯の大会方式 昨年のアジア杯、アジア選手権優勝者や世界ランク上位者らアジアのトップ選手男子16人、女子15人が出場。上位12人がA~C組に分かれ、リーグ戦形式で各組上位2人が準々決勝に進出。各組3位と各地域代表者(南、南東、西、中央アジア)で構成されるD組1位の4人で残り2枠をかけて試合を行う。準々決勝からはトーナメント方式。

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