パラ卓球初 岩渕が日本リーグ参戦

2018年4月17日12時0分  スポーツ報知
  • 東京パラリンピックで金メダルを目指し、日本リーグに参戦する岩渕
  • 5~7日に行われたビッグトーナメントにも出場した岩渕

 2016年リオデジャネイロ・パラリンピックに出場したパラ卓球界のホープで同世界ランク9位の岩渕幸洋(23)=協和発酵キリン=が、実業団の日本リーグ(団体戦、前期高知大会=5月30日~6月3日)への参戦を決めた。40年以上の歴史がある同リーグにパラ選手が出場すれば、初めてという。卓球では1992年バルセロナ大会以来となる金メダル獲得へ、国内トップレベルの場で健常者に交じり腕を磨く。

 目標とする東京パラリンピックの頂点へ。岩渕が健常者の国内トップクラス選手に胸を借りる。実業団の年間王者を決める「ファイナル4」で2連覇中の協和発酵キリンに入社2年目で、日本リーグへの出場が濃厚となり、「相手は強いけど、トップレベルの中で試合ができるのは楽しみ。必ずパラリンピックに生きると思う」と、胸を躍らせている。

 生まれつき左足関節の一部に縛られたようなくびれがある先天性絞扼輪(こうやくりん)症候群と、両足が内側に曲がっている先天性内反足の障害を持つ。左足首は自分の意思で曲げられず、右足も健常者より可動域が狭い。ただ、小学生の頃は障害の感覚がなく、「普通にみんなと体育もしていたし、家族でスキーにも行った」と振り返る。障害者手帳を持ったのも、「パラの大会に出られる」と関係者に勧められ、大会に参加し始めた中学3年の時だ。

 パラ選手としては比較的障害の軽い「クラス9」の岩渕だが、「成長するにつれて(健常者との)レベルの差は感じていた」という。それでも高校、大学、社会人と、健常者と同じ環境に身を置いてきた。ハンデを補うために、台に近い位置で強打を繰り出す前陣速攻型でプレー。国内女子で第一人者の福原愛(29)=ANA=や、伊藤美誠(17)=スターツ=と同じタイプのラバーを使用して、「VTRなども見て研究している」と言えば、同じ所属で世界選手権代表経験のある松平賢二(29)との練習を通し、「ボールの回転量とか、本当に勉強になる。近づいていきたい」と、多くのものを吸収し続けている。

 リオ大会では未勝利。「何もできなかった」というが、大舞台の経験と車いすラグビーなど他競技を観戦したことを通し、「知らなかったものをたくさん見せてもらい、人生が変わった。何を目指していくべきか意識できるようになった」。日本リーグでの健常者との対戦を大きな経験に変え、東京での金メダルをたぐり寄せる。(遠藤 洋之)

 ◆岩渕幸洋(いわぶち・こうよう)

 ▽生まれ&サイズ 1994年12月14日、東京・練馬区生まれ。163センチ、58キロ。家族は両親。

 ▽卓球歴 早実中1年から。中学3年の時に初めて障害者の大会に出場。早実高を経て早大入学後に国際大会に参戦。2014年パラ世界選手権に初出場。同年アジアパラ選手権銅メダル。16年リオ・パラリンピック立位「クラス9」代表。17年に協和発酵キリン入社。同年アジア選手権銀メダル。現在の世界ランクは9位。

 ▽ほかのスポーツ スキーやゴルフは、小学生の頃から楽しんでおり、現在でも年に1回は行く。ゴルフのベストスコアは98。

 ▽理系男子 早大教育学部理学科卒。「地学が得意で、北海道や秩父でフィールドワークも行っていた」という。卒論のテーマは、「白亜紀末の有孔虫の種や個体数の増減から推定する環境変動」。

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