【Bリーグ】仙台、引退する志村雄彦に最高の花道を「勝って終わらせてあげたい」

スポーツ報知
練習中に笑顔を見せる志村

 今季限りでの現役引退を表明しているプロバスケットボールB2リーグ・仙台89ERSのポイントガード(PG)志村雄彦(35)が26日、最後まで真剣勝負で臨むと気合を入れた。チームはこの日、仙台市太白区のハレオドームで練習を実施。28、29日の福島戦(ゼビオアリーナ仙台)、5月2日の青森戦(カメイアリーナ仙台)のホーム残り3戦は「志村雄彦引退シリーズ」として開催されるが、引退が注目されるなか、160センチの“小さな巨人”は勝利にこだわって最高のプレーを見せる。

 引退を惜しむ声よりも、白星に喜ぶ歓声を浴びせてくれ―。自身の引退シリーズと銘打たれたホーム3試合を含むリーグ戦残り5試合に向け、志村は最後まで勝利にこだわる姿勢を見せた。

 「真剣勝負のなかで引退試合がやれるのは、僕のなかでは誇りです」と志村。プロ野球では公式戦でも消化試合だったり、サッカーではシーズンオフの実施が多い引退試合を、リーグ戦最終盤で開催してもらえる。志村は「5つ勝つことが僕の最後の仕事。しっかり準備していきたい」と、リーグ戦を戦い抜くことだけを考えている。

 2009―10年シーズンを始め、計5季、仙台で志村とともにプレーした高岡大輔ヘッドコーチ(HC、36)は「志村はハートで動いている選手。心が折れない限り、永久にプレーすると思っていた」と明かした。互いに違うチームに所属していたときも、頻繁に連絡を取って対戦相手の話をしたりと、高岡HCは「言いたいことを互いに言ってきた仲ですね」。それだけに「勝って終わらせてあげたい」と意欲を示した。

 この日の練習でも、こまめに指示を出し、チームを鼓舞した志村。引退セレモニーのある29日には、遠く海外からも、現役最後の雄姿を見に知り合いが訪れるという。

 「僕のプレーも見たいと思うだろうけど、チームが勝つところもみたいと思う」と志村。個人の感情よりも勝利を優先し、最後まで全力を尽くす。(有吉 広紀)

 ◆志村 雄彦(しむら・たけひこ)1983年2月14日、仙台市生まれ。35歳。仙台高2、3年時に全国高校バスケットボール選抜優勝大会(名称は当時。通称ウインターカップ)で2連覇。慶大では4年時に関東大学リーグ、全日本学生選手権で優勝し、最優秀選手を受賞。JBL(当時)・東芝を経て、2008年にbjリーグ(当時)・仙台89ERSに入団。12―13季にリーグアシスト王。今季、リーグ史上2人目となる個人通算2000アシストを達成。160センチ、65キロ。ポジションはポイントガード。

スポーツ

×