韓国と北朝鮮「対戦したくない」合同チーム結成で試合せず準決勝へ

スポーツ報知
合同チーム結成が決まり、笑顔で記念撮影に応じる韓国と北朝鮮の選手たち

 女子の試合会場で驚きの光景が広がった。韓国と北朝鮮は準々決勝の入場後、審判に「ここで対戦をしたくない」と申し出た。選手たちはコート上で握手を交わし、笑顔で記念撮影。直後に合同チームの結成がアナウンスされた。試合は行われずメダルが確定。日本と対戦する4日の準決勝から合同チームで臨むことになった。ITTFによると、チーム名は「コリア」になる。

 4月27日の南北首脳会談で調印された「板門店宣言」には、アジア大会を含む国際競技への韓国と北朝鮮の共同出場が盛り込まれた。これを受け、南北融和の流れが加速した形だ。合同チーム結成は両国とITTFの3者で協議し決定。北朝鮮の関係者はITTFを通じ、「これはITTFとIOC(国際オリンピック委員会)の強力なサポートの結果だ。北朝鮮と韓国が力を合わせ、国際的に成果を上げるために全力を尽くす」と語った。

 南北の合同チームは、今年2月の平昌五輪のアイスホッケー女子で実現し、大きな関心を集めた。卓球では1991年に千葉市で開かれた世界選手権で、分断後初めて統一チーム「コリア」が結成され、女子団体で9連覇を狙った中国を破って優勝している。

 世界チームランク5位の韓国は、1次リーグD組を5戦負けなしの1位で突破した。世界ランク12位の徐孝元、27位の梁夏銀らが引っ張る。北朝鮮は国際大会の参加が少ないためチームランクでは22位だが、C組を4勝1敗の2位で通過。エースのキム・ソンイは16年リオ五輪で石川佳純、福原愛を破って銅メダルを獲得した実力者。合同チームで戦力は厚みを増し、優勝争いの行方にも大きな影響を与えそうだ。

スポーツ

×