美誠、元世界1位の劉から大金星「自信になる」…日本女子、中国に健闘の銀メダル

スポーツ報知

◆卓球 世界選手権団体戦第7日 ▽女子決勝 中国3―1日本(5日、スウェーデン・ハルムスタード)

 【5日=林直史】日本女子は決勝で中国に1―3で敗れた。1番手の伊藤美誠(17)=スターツ=が日本勢が37連敗中だった元世界ランク1位の劉詩ブンから3―2で大金星を挙げたが、平野美宇(18)=日本生命=が2番手でリオ五輪金メダルの丁寧、4番手の2試合目で劉に敗戦。3番手の石川佳純(25)=全農=も朱雨玲に屈した。1971年名古屋大会以来、47年ぶりの金メダルは逃したが、3大会連続の銀メダルを獲得した。

 中国に一矢報いた。1番手の伊藤は、前陣で劉詩ブンと真っ向から激しく打ち合った。8―10とマッチポイントを握られてからの4連続得点でフルゲームを制すると、しゃがみ込んで両手でガッツポーズ。「(劉に対し)いい出足でいけた。勝ったことは自信になる。ラッキーはあったが、苦しい練習をやってきて良かったなという思い」。その後は元世界ランク1位を3人そろえた王国の重厚な布陣に3連敗で屈したが、日本勢が37連敗中だった劉から、今後の打倒・中国に希望をつなぐ1勝をもぎ取った。

 石川、伊藤、平野の過去3年の全日本選手権女王がそろった最強トリオで挑んだ今大会。主将の石川は「試合の内容的には最悪。申し訳ない。(主将を務め)楽しくやらせてもらえて成長できた。次は日本が勝つんだという気持ちでリベンジしたい」と前を向いた。平野は「美誠ちゃんが勝っていい流れでもってきてくれたのに残念。いいプレーをすればするほど相手もやりやすくなり、自分のミスが出てしまった」と悔やんだ。

 平均年齢18・4歳と若いチームが団結で立ち向かった。初めて主将を任された25歳の石川は「自分から声をかけたり、何か困ってることがあったら助けなきゃって気持ちが前より出てきた。すごく成長させてもらった」。それぞれのペースを尊重。あえて時間を作って集めるのではなく、食事会場や全体練習前などの合間を活用して声をかけ、10代の後輩たちが力を発揮しやすい環境を整えた。

 3大会連続の銀メダルは獲得したものの、頂点に届かなかったのも現実だ。馬場美香監督は全試合で最大2度出場できる1、2番手に起用していた石川を3番手に回し、平野を2番手と4番手に置いた。昨年のアジア選手権で中国のトップ3選手を撃破した爆発力に懸けたが、石川も含め、3戦連続ストレート負け。団体戦での打倒・中国は2年後の世界選手権、東京五輪に持ち越しとなった。

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