【Bリーグ】チーム一筋20年の三遠・大口真洋、ラストゲームでも衰えぬプレー

スポーツ報知
引退式で、家族から花束をもらった大口

◆プロバスケットボールB1リーグ第32節 西宮92ー90三遠(6日・浜北総合体育館)

 今季限りの現役引退を表明していた三遠ネオフェニックスの大口真洋(42)が西宮との今季最終戦で初先発。第1Qだけで3点シュート3発を決めるなど、Bリーグ自身初となる2ケタ得点(11点)をマークした。試合は90―92で敗れたが、三遠の前身・オーエスジー時代からチーム一筋20年の“ミスターフェニックス”に対し、試合後の引退式で背番号3が永久欠番になることが発表された。

 チームメートの手で何度も宙を舞った。「あまりしんみりするのは好きじゃない」という大口らしく涙のない引退式。「家族の支えがあってからこそ、ここまでできた」と感謝する二美夫人(40)、長女・真由ちゃん(10)、長男・裕翔くん(4)から笑顔で花束を受け取った。

 引退するとは思えぬプレーだった。2季目のBリーグで初の先発出場。チーム最初の得点を3点シュートで決めると、2分過ぎには連続でオフェンスリバウンドを奪った。第1Qだけで3点シュート全3本成功させるなど、bj時代、3度の日本一に導いた希代のシューターぶりは健在だった。

 172センチと小柄ながら大きい選手と渡り合った。シュートばかりが注目されるが、リバウンドにルーズにと献身的なプレーは、欠かせない存在だった。オーエスジー時代に素質を見抜き起用した中村和雄元監督は「一家に一台ではないが、大口のおかげが大きかった」と、たたえた。

 背番号3は永久欠番となる。「いつか背負うような選手が出て欲しい」。マリナーズ特別補佐に就任したイチローの言葉を借りて「今後はバスケの研究者でいたい」と競技に関わっていく覚悟を表明。浜松学院大監督として大好きなバスケットを追求していく。(塩沢 武士)

 ◆大口 真洋(おおぐち・まさひろ)1976年1月6日、大阪市生まれ。42歳。1998年にオーエスジーフェニックスに加入。2003年のオールジャパンでベスト5に選出。bjリーグ転籍後の浜松・東三河フェニックスでは主将を務めた。09―10シーズンのプレーオフでVに貢献し、MVPを受賞。14―15シーズンよりアシスタントコーチを兼任。172センチ、63キロ。家族は夫人と1男1女。

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