【佐藤真二の目】美誠以外の選手も成長…スピード上げろ

スポーツ報知

◆卓球 世界選手権団体戦 ▽女子決勝 中国3-1日本(5日、スウェーデン・ハルムスタード)

 47年ぶり9度目の優勝を目指した日本女子は決勝で中国に1―3で敗れ、3大会連続の銀メダルに終わった。

 伊藤は1月の全日本選手権よりも力がついた。戦術的にはバックを狙われても対応できるようになり、フォアのストレートを効果的に使っていた。技術的にも上回転のサーブやフリック、逆チキータなど技が増えた。サーブレシーブで回り込んだり、読みと動きのスピードも速かった。

 準決勝まで1試合も落とさず勝ち上がったように、確かに日本の力は上がって中国に近づいている。ただ相手も進化しており、2番手以降はストレート負けだったのが現実。年齢の若さだけではなく経験値が必要な競技で、中国勢は経験を積み年齢的にもピークにさしかかる時期に2020年を迎える。それを上回るには、もっと成長スピードを上げないと間に合わない。

 日本が東京五輪で金メダルを獲得するヒントは、伊藤が分析されたデータを上回る成長と戦術対応力を見せて勝ったところにある。研究されてもさらに上をいくような戦術、技術の多彩さが必要だ。個人戦は国内の出場枠争いが20年1月まで続くが、団体戦では「出る」ではなく「勝つ」対策が求められる。中国製ラバーで打つ回転量が多く微妙に変化してくるドライブ対策は男女共通の課題だろう。

 5位に終わった男子は一体感がなく戦う集団に見えなかった。今大会の状態だと、水谷頼みでは東京五輪は苦しい。不調が一時的なものか衰えなのか、スタッフ陣はしっかり分析して検証する必要がある。(協和発酵キリン監督)

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