日大・内田監督、悪質タックル問題で辞任…「かんさいがくいんだい」と言い間違える一幕も

スポーツ報知
取材に応じる日大・内田監督

 アメリカンフットボールの定期戦(6日・東京)での日大選手による悪質タックルで関西学院大QB選手が負傷した問題で、日大・内田正人監督(62)が19日、兵庫・西宮市内で被害選手やその保護者、関学大関係者に直接謝罪した後、辞任を表明した。この日、騒動後初めて公の場に現れた同監督は大阪空港で報道陣に対応。「全て私の責任」と繰り返したが、自身による反則行為の指示があったかどうかは、明言を避けた。日大は24日までに文書で当該プレーに至った経緯や見解を回答し、それを受けて関学大も同問題で3度目の会見を行う。

 社会問題化している反則が6日の試合で起きて以降、初めて公の場に姿を見せた内田監督は、大阪空港でカメラのフラッシュを浴びながら約5秒間、深々と頭を下げた。「この問題はすべて私の責任。関学大のみなさんにもお伝えしましたが、日大アメフト部の監督を辞任いたします。誠に申し訳ありませんでした」。昨年12月の甲子園ボウルで関学大を破り、27年ぶりに大学日本一を勝ち取った歓喜からわずか5か月。辞任について日大部員らに「まだ説明していない」と明かした。

 関学大によると、この日、非公開で行われた両大学の会合は、日大側は内田氏、加藤直人部長、五十嵐亮コーチらが出席。関学大側は反則タックルを受けたQBとその父親、鳥内秀晃監督(59)、小野宏ディレクター(57)らが出席した。謝罪した内田氏は、相手方の反応について「私が判断することは、おこがましい」と謙虚に語る一方で、関西(かんせい)学院大を何度も「かんさいがくいんだい」と言い間違える一幕もあった。

 パスを投げ終わって約2秒後の無防備な相手への悪質タックルについて、内田監督が指示したのかどうかがひとつのポイントだったが、同監督は「それは関学大への文書で回答する」との一点張り。24日までに関学大へ提出する当該プレーの経緯説明やチーム見解をもって明らかにするとし、言葉を濁した。試合では計3度の反則で退場した選手をとがめる様子もなかったが「それも私の判断の悪さ。私の責任」。全責任をかぶるコメントを連発する一方で、具体的言及は避けた。

 試合当日など、速やかに謝罪をしていれば、ここまでの社会問題にはならなかった可能性はある。「この問題が起こった時点で、私が辞任して、新しい日大を作っていかねばという考えがあった。だが、関学大に直接おわびする前に辞任してしまうと誠意がない」と苦しい弁明に終始した。タックルのタイミングだけでなく、内田氏の動きも、遅過ぎた。問題によって、世間に与えてしまった負のイメージは大きい。(田村 龍一)

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