関東学生アメフト連盟が「共同宣言」を発表 「フェアプレー精神を持つことが大前提」

スポーツ報知

 アメリカンフットボールの定期戦(6日・東京)での日大選手による悪質タックルで関西学院大QB選手が負傷した問題で、関東学生アメリカンフットボール連盟の監督会は21日、各大学のホームページなどで最高のスポーツマンシップを示すための「共同宣言」を発表した。

 <共同宣言は以下の通り>

 私たちは、アメリカンフットボールというスポーツを、心から愛しています。しかし今、そのフットボールが、かつてないほどの危機を迎えています。

 テレビでは毎日のように衝撃的な映像が繰り返し流され、フットボールを「危険なスポーツ」どころか「野蛮なスポーツ」と感じられている方が増えてきています。

 このような現状で、80年以上の歴史を持つ日本のフットボールが将来も存続し得るのか、私たちは極めて強い危機感を持っています。

 大きな身体の選手たちが、ものすごいスピードで身体をぶつけ合うことは、フットボールの魅力のひとつですが、ときには大きなけがに見舞われる選手もいます。しかし、けがをする可能性があるからこそ、試合を行う上では、対戦相手へのリスペクトや最高のスポーツマンシップ、フェアプレー精神を持つことが大前提となります。

 こうした精神は、人間として生来備わっているものに加え、日々の練習によってより高次のものを身に付けていく必要があり、フットボールに関わるすべての者がより高いレベルの精神を備えることができるよう、謙虚に取り組んでいく所存です。

 そして、けがをする可能性があるからこそ、私たちは、脳震盪や熱中症などによる重篤な事故が起こらないよう、安全なタックルの仕方や最新知識の習得など、安全対策を何よりも優先するよう心掛けています。

 フットボールは、学生スポーツの目的のひとつである「学生の成長」に適したスポーツです。

 学生たちがフットボールから学ぶことは多く、さまざまな点で、非常に高い水準にあることが求められます。

 規律や自制心、心身ともに自らの限界を超えていくこと、研究熱心であること、仲間と支え合って高みを目指すこと。自らの役割を全うするだけでなく、チームや仲間を優先する自己犠牲の精神も学びます。対戦相手との健全なライバル心や、チームの枠を超えた友情も育まれ、人格そのものが磨かれていきます。

 私たち自身、決して机の上だけでは学べないようなことを、フットボールから学んできました。多種多様な局面に遭遇するフットボールは、まさに人生の縮図であり、間違いなく人生を豊かにしてくれるものだと言えます。

 公式規則にある「フットボール綱領(The Football Code)」の前文には、以下の通り記されています。

 「伝統的に、フットボールは教育活動の重要な一環を担っている。フットボールは激しく、力に満ちた、身体をぶつけ合うスポーツである。それゆえ、プレーヤー、コーチ、その他の試合関係者に対しては、最高のスポーツマンシップと行動が要求される。不正な戦術、スポーツマンらしからぬ行為、故意に相手を傷つけることは絶対に許されない」

 フットボールに関わるすべての者は今一度、ここで述べられていることを胸に深く刻み込み、フットボールに向き合うべきだと考えています。

 私たちは、フットボールという素晴らしいスポーツ、そして私たちが心から愛するスポーツに対して、今後も真摯な姿勢で取り組んでいくことを、志を同じくする関東学生アメリカンフットボールの仲間とともに、あらためてここに宣言します。

2018年5月21日

早稲田大学監督      高岡 勝

法政大学監督       有澤 玄

中央大学ヘッドコーチ   蓬田 和平

立教大学監督       中村 剛喜

慶應義塾大学監督     久保田 雅一郎

明治大学監督       岩崎 恭之

日本体育大学監督     大山 茂

横浜国立大学ヘッドコーチ 田島 聡嗣

桜美林大学監督      関口 順久

国士舘大学監督      大野 敦司

東京大学監督       三沢 英生

東京大学ヘッドコーチ   森 清之

東海大学監督       中須賀 陽介

駒澤大学監督       新倉 晴彦

東京学芸大学監督     山田 豊

専修大学監督       渡辺 卓史

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