日大、宮川選手会見に即反論 “潰せ”は「思い切って当たれ」

スポーツ報知
昨年、27年ぶりに甲子園ボウルを制して喜ぶ日大アメフト部の選手たち

 日大は22日、アメリカンフットボール部の宮川泰介選手(20)の会見後にファクスでコメントを発表。「QBを潰せ」という言葉があったことは事実と認めたが、内田正人前監督(62)の指示との見解は否定した。

 日大と宮川選手の主張は食い違ったままだった。宮川選手の会見を受け、日大広報部はファクスでコメントを発表した。「厳しい状況にありながら、あえて会見を行われた気持ちを察するに、心痛む思いです。本学として大変申し訳なく思います」。一方で、宮川選手が明言した内田前監督、井上コーチからの指示については、異なる意味だったと否定した。

 宮川選手は会見で試合前日は井上コーチを通じ、内田前監督から「相手のQBを1プレー目で潰せば(試合に)出してやる」と伝えられ、「潰せ」を「けがをさせろという意味」で捉えた。日大側は「『潰せ』という言葉があった」と認めたが「本学フットボール部において試合前によく使う言葉で『最初のプレーから思い切って当たれ』という意味」と反論した。

 宮川選手と内田前監督は話す機会がほとんどなく、ほとんどの指示は井上コーチを通じて行われていた。「コミュニケーションが不足していたことを反省しております」としたが、15日付の関学大への回答書で「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きたことが問題の本質」とし、内田前監督の危険行為指示を否定してきた姿勢は変わらなかった。

 会見後に取材に応じたある現役部員は、宮川選手が競技を退く意志を示したことに話が及ぶと無言でうつむいた。大学より先に選手が会見を開いたことには「(大学側の対応が)遅すぎる」と憤った。都内の選手寮に帰宅した部員は、内田前監督に真実を話してほしいかとの問いに「そうですね」と答え、宮川選手に対しては「応援したいです」と心境を語った。

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