日大戦をボイコットへ 改善無ければ15大学が秋リーグ戦対戦拒否で一致

スポーツ報知
緊急監督会を終えて、大山議長(右から4人目)以下15人の出席者が会見に臨んだ(カメラ・森田 俊弥)

 関東学生アメリカンフットボール連盟所属の1部リーグ監督会は24日、都内で緊急会合を開いて日大の悪質な反則問題についての対応を協議し、日大を除く全15チームが、日大の指導体制などに改善がなければ、秋のリーグ戦での対戦を拒否する方針で一致した。

 関東学連の規律委員会や外部の第三者委員会による原因究明を望み、日大には再発防止の対策などの自助努力を求めた。無関係の学生の救済措置として「オールスター戦」案も上がった。

 午後7時から約2時間半行われた監督会では、日大の悪質な反則問題についての対応を協議した。日大を除く全15チームの監督が参加。「除名処分」「スタッフの総入れ替え」「日大は出さない方がいい」とした永久追放処分などの厳しい意見が出るなど紛糾。しかし監督会の総意として、日大の指導体制などに改善がなければ、現在開催中の春のオープン戦に続き今秋のリーグ戦での対戦も拒否する方針で意見を一致させた。

態勢が不鮮明 会合の大山茂議長は「昨年日本一になった日大の学生たちと試合をしたいという思いはある、というのが大前提ではあった。ただ、これまでの日大の対策、態勢が不鮮明」と指摘。「改善を一刻も早くやっていただきたい。それがないと我々としてもこの秋も試合はできない。学生のことを考えて連盟、日大にはスピーディーにやってもらいたい」と通告した。現在行われている春のオープン戦は問題の試合後、日大の全6試合が中止となっている。

 日大の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)コーチ、関学大のQB(クオーターバック)を負傷させた宮川泰介選手(20)がそれぞれ開いた緊急会見についても大山議長は言及した。宮川選手の危険タックルを「通常ではあり得ないプレー。あの場面だけを取ってしまうと多分、(3者の間で何らかの)特別な感情があったのでは」と指摘。社会問題にまでなった「反則指示の有無」で主張が食い違っていることを「言った、言わないは水掛け論になる。不鮮明だ」としながらも「学生を守るところが僕の感覚とはちょっと違うなと思った」と、内田、井上両氏の対応に苦言を呈した。ただ、内田前監督については「そういう人ではないと思う。確かにハードな戦いはするが(日大との対戦で)危険を感じたことはない」と説明した。

 今後は関東学連の規律委員会、いまだ立ち上がっていない第三者委員会の調査結果を受けて、監督会として日大について再協議する。復帰を認めるための指導体制の改善策については期日は設けず「一刻も早く」とだけ述べた。また監督会の総意として日大の学生の救済措置案として例年1月に開催されているオールスター戦などへの参加案も。「オールスター的なゲームをやるのであったり、それ以外のところも何かできたらとは思うが、具体的には出ていない」と話した。

 日大を巡っては、関東学連も秋季リーグの無期限を含めた長期出場停止処分を視野に入れている。

 ◆日大森コーチも「解釈の違い」

 監督会では、日大・森琢ヘッドコーチが冒頭で15人の監督に謝罪。内田前監督、井上コーチは23日の会見で宮川選手の主張を一部否定したが、森コーチは「言った、言わないに関しては解釈の違いはある」と反則指示はないとした。

 また日大はこの日、宮川泰介選手(20)への意図的な反則指示はないという従来の主張を踏襲した再回答書を関学大に提出。日大広報部によると、回答書には従来の主張に加え「学生を追い込んだのは全て監督とコーチの責任」と謝罪する内容だという。

 関学大によると、日大コーチが兵庫・西宮市に再回答書を持参。17日に日大側の最初の回答への疑念などを表明した関学大は26日に記者会見を開く予定で、再回答の内容次第では51回続く定期戦を取りやめる意向を示している。

 ◆内田前監督が心身疲労で入院

 22日に会見した宮川選手はこの日、弁護士を通じ「私が憶えている事実は全てお話ししましたので、これ以上お話しすることはありません」とコメント。日大広報部によると、内田前監督は23日の会見後に心身の疲労を訴え、都内の病院に直行して入院したという。

 ◆関東学生アメリカンフットボールのシーズン 秋季リーグ戦は、今季は8月下旬か9月上旬に開幕予定。昨季は9月2日が開幕日だった。1部の上位リーグは「TOP8(トップエイト)」で、下位リーグは「BIG8(ビッグエイト)」。12月に東日本代表校決定戦、大学NO1を決める甲子園ボウル。1月には学生代表と社会人代表が日本一を争うライスボウルがある。現在行われているのは春のオープン戦。

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