エース上野、東京五輪も!4回0封米国斬り「ただ抑えればいい、では次につながらない」

スポーツ報知
先発の上野は、4回を投げて無失点(カメラ・堺 恒志)

◆ソフトバール女子 ▽日米対抗戦第1戦 日本4―0米国(20日、東京ドーム)

 日本が5投手による完封リレーで白星発進した。開幕投手を務めた大黒柱の上野由岐子(35)=ビックカメラ高崎=が、東京五輪の最大のライバル・米国を相手に4回3安打無失点、6奪三振の好投。18歳右腕の勝股美咲(ビックカメラ高崎)、この日代表デビューを果たした17歳左腕の後藤希友(みう、東海学園高)という2人の期待の星に、絶対エースの貫禄を示した。

 ボールがミットに突き刺さる重い音が、ドームを震わせた。4回2死一塁。上野は外角いっぱいの直球で米国の6番カルダから見逃し三振を奪い、お役ご免。「大きなスタジアムで楽しくできた。いい試合展開で勝てて、ホッとしている」。4回3安打、6Kで零封。鉄腕健在をライバル国に刻みつけた。

 2年後の東京五輪へ向けた長い戦いの中の1ページ。「勝ちたいのは当たり前だが、ただ抑えればいいという投球では次につながらない」。自身の状態や実戦での対応力、相手の情報収集。「欲はたくさんある」と多くのテーマを課していた。

 テーマの一つが若手の出番の演出。エースとして勝ちゲームをつくり、投手陣全員の起用を可能にした。勝股と後藤の10代コンビには「大いに緊張してほしい」と言いつつ、相手打者の特徴を耳打ちして送り出した。東京五輪は38歳で迎えることになるが、絶対的な地位はみじんも揺るがず、むしろ存在は大きくなる一方だ。

 8月の世界選手権に向けて手の内を隠し、Bチームで臨む米国相手に、変化球を多投する配球もテスト。「手応えを感じた。引き出しが増えたので、次の対戦に生かしたい」。ソフト界のレジェンドは、いまだ成長の途上にいる。(太田 倫)

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