井岡一翔が引退発表、今後については明かさず

スポーツ報知
会見する井岡一翔

 世界3階級制覇の前WBA世界フライ級王者・井岡一翔(28)=井岡=が12月31日、横浜市内で会見し、30日付で日本ボクシングコミッション(JBC)に引退届を提出したことを発表した。TBS系で一部生中継された会見。上下黒のスーツ姿で、17年4月の同王座5度目防衛時以来、8か月ぶりに公の場に現れると「目標の3階級制覇をかなえ、引退を決意しました」と語った。アマ時代から師事した父でトレーナーの一法・井岡ジム会長(50)に向けては「感謝している」と述べた。

 元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高(62)と並ぶ日本人最多タイ世界戦14勝を誇る井岡が、28歳で引退表明。今後のリング復帰の可能性は「ゼロではない」と含みをもたせたが、本場・米国進出などについては「今は海外に環境を移そうとか考えていない」とした。今後の人生に関しては「さらなる目標があるが、今は言えない。しかるべき時が来たら言いたい」と明かさなかった。

 井岡は17年5月、交際していた歌手・谷村奈南(30)と結婚し、拠点を大阪から東京に移した。その後、大阪の所属ジムに戻って本格的なトレーニングを行うことはなかったが「今までずっと一緒に戦ってきたので、今になって守る者ができたというのではない」と結婚が引退に影響していることを否定。「存在自体が支えだった。今までずっと妻には相談していた。ボクシングに関しては『自分のために悔いはないように』と言ってくれた」と明かした。

 井岡陣営は17年9月にV6戦を予定していたが、井岡の調整が間に合わずキャンセルした。恒例だった大みそか興行にも間に合わず、興行を中止せざるを得なくなった同11月、同王座返上を発表。井岡自身による進退表明が注目されていた。

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年3月24日、大阪・堺市生まれ。28歳。興国高で高校タイトル6冠。東農大を中退し09年4月、プロデビュー。10年10月、日本ライトフライ級王座獲得。11年2月、WBC世界ミニマム級王座奪取。12年6月、WBA同級王者の八重樫東(大橋)との日本初の複数団体による統一戦で判定勝ち。同12月、WBA世界ライトフライ級王座獲得で2階級制覇。15年4月、同フライ級王座奪取で3階級制覇。身長165センチ。右ボクサーファイター。プロ通算22勝(13KO)1敗。叔父は元世界2階級王者の弘樹氏(48)。

スポーツ

×