中谷正義、2戦連続KO勝ちで東洋太平洋ライト級王座V9 石田匠は再起戦飾る

スポーツ報知
2戦連続KO勝ちで東洋太平洋ライト級王座V9に成功した中谷正義

◆プロボクシング▽東洋太平洋ライト級(61・2キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇中谷正義(KO 6回1分45秒)パーランペット●▽54・0キロ契約8回戦 〇石田匠(KO 3回1分13秒)ラチャーノン・サワーンソーダー●(24日・エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 東洋太平洋ライト級タイトル戦が行われ、王者・中谷正義(28)=井岡=が同級3位のパーランペット・トーブアマート(30)=タイ=に6回KO勝ちし、9度目の防衛に成功した。世界3階級王者・井岡一翔(28)が引退した井岡ジムの新エースに名乗り。陣営は世界初挑戦へと動く。また、昨年10月の世界初挑戦で敗れたWBA世界スーパーフライ級7位の石田匠(26)=井岡=も、再起戦でタイ人選手に3回KO勝ち。通算成績は中谷が16勝(10KO)、石田が25勝(14KO)1敗。

 一撃必殺のKO劇だった。中谷は5回にこの日初ダウンを奪うと、続く6回。左ボディーブローで相手の右脇腹にガードを集中させておき、がら空きのみぞおちに強烈な右ボディーアッパーをぶち込んだ。もん絶ダウンのパーランペットは何とか立ち上がるも、ダメージが深くテンカウント。2戦連続KO勝ちでV9の王者は「良かったのはKOだけ。最後のパンチは感触があったけど、もっと長いラウンドを戦いコンビネーションで倒したかった」と、世界のリングを見すえた。

 所属の井岡ジムは看板選手だった前WBA世界フライ級王者・井岡が昨年大みそかに引退表明。大阪・興国高時代から井岡と同学年の中谷に、新エースとして期待がかかる。「(自分が)引っ張っていかなアカン。いつでもどこでもいい、世界戦をやりたい」。ライト級の世界ランキングはIBF5位、WBC6位、WBA10位と、いつ初挑戦が決まってもおかしくない位置にいる。井岡一法会長(50)は「国内か海外かは分からないがチャンスを作る」と明言。中谷が世界の頂点へとひた走る。

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 石田はKO勝ちで再出発した。2回に右ストレート主体で2度ダウンを奪うと、3回に左ボディーブローでタイ人選手を仕留めた。12勝(12KO)1敗の成績で来日してきた東洋太平洋ランカーに、世界ランカーの実力を見せつけ「自分は一度、世界戦を経験した。もう世界のベルトしか見ていない」ときっぱり。昨年10月の敵地英国・カーディフでの初挑戦ではWBA世界スーパーフライ級王者のカリド・ヤファイに判定負け。「王座は手の届くところにある」と再起した。石田がプロ初黒星を糧にして勝ち続け、再挑戦のチャンスをつかみ取る。

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