村田諒太「山中先輩の魂しっかり受け継ぐ」ミドル級日本人初防衛へ公開スパー

スポーツ報知
初防衛戦を控えた公開練習で、サンドバッグをパンチで大きく揺らす村田諒太(カメラ・堺 恒志)

◆報知新聞社後援プロボクシング・ダブル世界戦 ▽WBA世界ミドル級タイトルマッチ 王者・村田諒太―同級8位・エマヌエーレ・ブランダムラ ▽WBC世界フライ級タイトルマッチ 王者・比嘉大吾―同級2位・クリストファー・ロサレス(4月15日、神奈川・横浜アリーナ)

 プロボクシングWBA世界ミドル級王者・村田諒太が“山中魂”の継承を誓った。都内の所属ジムで8日、同級8位エマヌエーレ・ブランダムラとの初防衛戦(報知新聞社後援)に向けて外国人パートナーとのスパーリングを公開。1日に引退を表明した同門の元WBC世界バンタム級王者・山中慎介(35)から人としての器の大きさを学び、自身の今後に生かしていく姿勢を見せた。

 村田は大きな財産を受け取った。山中が前WBCバンタム級王者ルイス・ネリ(23)=メキシコ=に敗れた1日の試合をリングサイドで観戦。同門で南京都高(現・京都広学館高)の3学年先輩の引退に「寂しい。(引退の)順番って回ってくるんですね」と、しみじみ語った。

 ネリとの再戦に挑む山中の背中を近くで見てきた。全身全霊で臨む中でも、先輩からはボクシングと無関係の軽い話を振られることがあった。「人間って大きくないといけないと思った。あれだけ注目度があっても、試合前に嫌なピリッとした感じを外に出さない。だから、山中先輩はみんなに慕われる。先輩の大きさを知りました」。体重超過を犯したネリに果敢に挑んだ神の左の偉大さに、改めて気づかされた。

 村田も試合前は比較的、緊迫感を表に出さないタイプ。山中とは試合翌日から連絡を取っておらず、あいさつも済ませていないのは「先輩が忙しくなくなるまで待って連絡しようと思う。相手のことを考えずに、自分の気持ちをぶつけたいがために連絡するのはよくない」という気遣いからだ。

 3分×2回のスパーでは相手に圧力をかけて追い込み、右ストレート、左ボディーを入れるなど順調に汗を流した。ミドル級で世界王座防衛となれば日本人初。山中の引退で日本人の現役世界王者では最年長となった。「(山中の姿勢を)しっかり受け継がないといけない。あっという間に引退は来ますから。あっという間の時期に、しっかり100%出していきたい」。神の左の魂は、村田に引き継がれた。(浜田 洋平)

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