ネリ、日本ボクシング界から永久追放 JBCが異例の処分

スポーツ報知
山中(右)との試合で体重超過を犯したネリに対して、日本での活動が永久に停止なることが発表された

 日本ボクシングコミッション(JBC)は9日、元王者・山中慎介(35)=帝拳=とのWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチの前日計量で体重超過し、王座剥奪となった前王者ルイス・ネリ(23)=メキシコ=に日本でのボクシング活動を永久に停止させると発表した。

 体重超過は規定で1年間、日本で試合ができないが、今回は期限を設けない。JBCは「階級制を前提としたプロ競技スポーツであるボクシングに対する社会的信用を著しく毀損(きそん)する行為」と説明。JBCの資料によると、過去10年では無気力試合や複数選手で1つのリングネームを使用するなどで同処分を下した例は約130件あるが、体重超過のみでは初めてとなる。

 ネリは前日計量で2・3キロ、2時間後の再計量も1・3キロ超過。2回TKO勝ちしたが王座は空位となり、山中は引退を表明した。JBCは「2・3キロオーバーは極めて異例な重大な違反であること等から、より厳重な処分が相当である」と理由を示した。安河内剛事務局長も「明らかな超過だった今回は特殊な事情であり(処分を)骨抜きにはできない。他の団体にも足並みをそろえてもらいたい」と述べた。

 WBCには報告済みで、他の世界タイトル認定団体、米国など各国コミッションに決定を通知して協力を求める。WBCは2日にネリへの無期限資格停止処分を発表し、ネリに聴取を受けるよう義務づけている。

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