井上尚弥、比嘉の減量苦に理解「バンタムに上げればいい」

スポーツ報知
英国人パートナーのラザ・ハムザ(右)とスパーリングを行った井上尚弥

 WBA世界バンタム級2位・井上尚弥が17日、体重超過で王座を剥奪された前WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツ=にエールを送った。自身は5月25日にWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネルに挑戦。日本人5人目の世界3階級制覇へ、横浜市内の所属ジムで王者と同じ身長178センチのパートナーとのスパーリングを開始した。

 井上は率直な思いを明かした。比嘉とは2016年12月にスパーで拳を交えた間柄。「相当、メンタルをやられている。計量オーバーをしてしまったことを受け止めて、若いのでメンタルもつくり直して復帰してほしい」。自身もライトフライ級(48・9キロ以下)時代に12キロの減量苦を味わっただけに、心中を思いやった。

 当時は計量前の3日間で絶食し、基礎代謝で減量。「眠れないし、口もパサパサ。立ちくらみもする」と過酷さを知る。比嘉は2月のV2戦から約2か月半で試合に出場。短期間だったことに失敗の原因があるとされるが「試合をやるとなったら、プロとして(体重を)つくる責任がある」とし「比嘉も(2階級上の)バンタムに上げちゃえばいい」と進言。自身と同じ階級になるが「問題ないっすよ」と平然としていた。

 王者はバンタム級で珍しい178センチの長身で、リーチ183センチといずれも井上を約14センチ上回る。この日は“仮想マクドネル”として同じ身長のフェザー級ラザ・ハムザ(25)=英国=との4回のスパーを披露。2回に2階級上の相手を強烈な左ボディーでダウンさせると、おびえた相手をメッタ打ちにした。大橋秀行会長(53)は「2回、もたないね」と苦笑いした。

 防衛5度を重ねる王者は、井上にとって過去最強の相手だ。減量は残り8キロ。「長身選手のイメージをつかめば、得るものは大きい」。16日から家族と離れてホテル暮らしを始めた。調整に集中し、最高のコンディションをつくる。(浜田 洋平)

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