京口“パッキャオ2世”とV2戦 19歳フィリピン人と無敗対決

スポーツ報知
フィリピンのビンス・パラスとの世界戦を発表後、裏地に女性モデルがプリントされたオーダーメイドのスーツを披露した京口紘人(カメラ・竜田 卓)

 IBF世界ミニマム級王者・京口紘人が“パッキャオ2世”の挑戦を受ける。所属のワタナベジムが23日に都内で会見し、5月20日のダブル世界戦(報知新聞社後援)で主要3団体のライトフライ級でランク入りするビンス・パラスと対戦すると発表。自身初の無敗対決で2度目の防衛を狙う。同日はWBA・IBF世界ライトフライ級統一王者・田口良一が、日本人初の2つのベルトを懸けた統一王座防衛戦に挑む。

 京口がV2戦のターゲットを見定めた。13戦全勝11KOのパラスとの対戦が決定。「フィリピンのホープ。無敗同士はスリリングな展開になるし、お客さんにも分かりやすい。王者として圧倒する試合にできたら」。伸び盛りの19歳を返り討ちにするイメージを膨らませた。

 挑戦者は、世界6階級制覇のマニー・パッキャオ(39)と同じくフィリピンで貧しい暮らしを経験した。一時はゴミを拾って生活。パッキャオには病気の父親の治療費を援助してもらったことがあり、同選手が無料開放するジムでボクシングを始めた。母国の英雄のような世界王者になることを夢見てKOの山を築き、京口に世界初挑戦。不屈の闘志を持つ相手に、京口は「日本にないハングリーな選手。そういう選手に勝ちきるのは成長になる」と歓迎した。

 パラスは昨年6月にWBOアジア太平洋ライトフライ級ユース王座を獲得。京口より1階級上だが、IBFはこの試合を認可し、ミニマム級でもランク入りする見込みだ。もともと互いのトレーナー同士の親交があり、相手陣営の強い要望で今月初めには対戦が内定。京口を担当する井上孝志トレーナーは「相手が強い方が京口のためになる。ミニマム級じゃないような、豪快に倒す試合をしてほしい」と背中を押した。

 京口はこの日、5回のスパーなどで調整し、得意の左ボディーを連発。「プロで年下とやるのも初だし、無敗(の相手)も初。力技でKOを見せたい」。軽視されがちな最軽量級王者の価値を高めることが目標だ。勢いに乗るパッキャオ2世に、王者の偉大さを見せつける。(浜田 洋平)

 ◆「20万円」スーツド派手裏地披露 京口は新調した紺色のスーツで会見に臨んだ。「スーツは男の戦闘服!」のキャッチコピーで展開するヴァンクール社のオーダーメイド。昨年大みそかには同社のロゴが入ったグラブで初防衛に成功した。会見後の写真撮影では、ロゴや女性の水着写真などが入った裏地を披露し「20万円くらいする。(絵柄は)セクシーですよね。おしゃれな柄」と、うれしそうに話した。

 ◆パッキャオとは プロ戦績は59勝(38KO)7敗。フィリピン・ミンダナオ島の貧しい農家出身で、花を売って路上で生活していた。1995年にプロデビューし、98年のWBCフライ級王座から2010年のWBCスーパーウエルター級王座獲得まで、オスカー・デラホーヤ氏(米国)に続く2人目の世界6階級制覇。15年5月に、元世界5階級制覇フロイド・メイウェザー氏(米国)と対戦(判定負け)し「世紀の対決」と注目を集めた。16年4月に引退するも、同年11月に現役復帰。現在も母国で国会議員を務め、国民的人気を集めている。昨年7月にWBO世界ウエルター級王座から陥落したが、7月14日にWBA同級王者ルーカス・マティセ(アルゼンチン)に挑戦する。

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