辰吉寿以輝、判定勝ちでデビュー8連勝も父・丈一郎は「この内容じゃ、お金は取れない」

スポーツ報知
7回、石橋俊(右)を攻める辰吉寿以輝

 ▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)8回戦〇辰吉寿以輝(判定3―0)石橋俊● (30日・エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(47)の次男・寿以輝(21)=大阪帝拳=が、プロ8戦目となるスーパーバンタム級8回戦(報知新聞社後援ドラマチックボクシング)で、石橋俊(30)=仲里=に3―0の判定勝ちをおさめた。デビュー以来の連勝を8と伸ばしたが、連続KO勝ちは3でストップ。通算成績は寿以輝が8勝(5KO)、石橋が10勝(4KO)23敗1分け。

 勝利者インタビューの寿以輝に笑顔はなかった。前半は左フックを利かせて優勢だったが、攻撃が単発でフィニッシュまでは、まとめ切れない。逆に後半は、この日がプロ34戦目だった石橋の多彩なパンチに手こずり、7回には被弾してグラつく場面も。最大6ポイント差で判定勝ちしたが、4戦ぶりにKO勝ちを逃し「倒したかった。気持ちが入って力み過ぎた」と反省。「ボクシングほど戦績があてにならないものはない。ベテランの意地を見た」と最後まで食らいついてきた石橋に敬意を表した。

 父・丈一郎は現在の寿以輝と同じ21歳だった91年9月、同じプロ8戦目で世界王座を初奪取し、当時の国内最速記録を更新。その父は、この日もリングサイドで見守り「プロは勝ち方も重要。この内容じゃ、お金は取れない」とピシャリ。「(動かない)サンドバッグに連打している感じ。1本調子じゃあかん」と苦言を呈した。寿以輝は父の偉大さを認めつつ「僕は天才肌じゃない。この経験を生かしたい」と前を向いた。

 今夏ごろ予定される次戦は初の10回戦となる。大阪帝拳ジム・吉井寛会長は「次は(東洋太平洋または日本)ランカーに挑戦させたい」と明言。浪速のジョー2世がこの日の苦戦を糧に、ランキング入りに挑む。

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