田口陣営、対戦相手と同じ南アフリカ人ジャッジに異議「頭おかしいんじゃないか?!」

スポーツ報知
調印式と前日計量に臨んだヘッキー・ブドラー(左)と田口良一

◆報知新聞社後援 プロボクシング ダブル世界戦▽WBA・IBF世界ライトフライ級(48・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 田口良一―ヘッキー・ブドラー▽IBF世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 京口紘人―ビンス・パラス(20日、東京・大田区総合体育館)

 WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者・田口良一(31)=ワタナベ=が19日、IBF同級6位ヘッキー・ブドラー(30)=南アフリカ=との統一王座防衛戦に向け、試合会場の大田区総合体育館で調印式と前日計量に臨んだ。

 ジャッジ3名が発表されたが、米国人、メキシコ人に加え、1名がブドラーと同じ南アフリカ人。これに対し、田口陣営の渡辺均会長(68)が「頭おかしいんじゃないか?!」と異議を唱えた。田口も「気になりますね。公平がいい。(出場選手と)関係してない国がいい。中立がいい。判定までいったら、かなりの確率で相手(有利)になる。ちょっと納得いかない」と首をかしげた。

 今回は2つの団体が承認する統一王座防衛戦。IBFは数週間前にこの試合の立合人、レフェリー、ジャッジ3名を通達しており、WBAの回答待ちだった。しかし、WBAの担当者が休暇中で連絡が取れず、試合3日前の17日にジャッジを出さないと返答。通常なら両団体の提出したリストから調整するが、IBFが人員の決定を全て任され、最初に通達した3名で行うこととなった。

 WBAが“丸投げ”したことにより、日本ボクシングコミッションの安河内事務局長がWBAの立合人を担当。IBFが出場選手と同国のジャッジを指名することは珍しくなく、ルール上は問題ない。しかし、同事務局長は田口陣営の要求に「(選手と同国のジャッジが)ひいきするという前提ではないけど、見た目はアンフェアな印象を受ける。好ましくない」とし、「(南アフリカ人ジャッジを)他の国に変更するか、日本人ジャッジを入れるか」とIBF本部と連携を取って調整する。

 日本人初の2つのベルトを懸けた統一王座防衛戦。興行主の渡辺会長は「(プロモーターとして)事前に知らなかったのはミスなんだけど」と話したが、両団体の意思疎通も欠けていた。田口が勝てば、WBA8度目、IBFでは初防衛となる。計量は両者ともにリミット48・9キロで一発パス。18日から何も食べずに臨んだ田口は「(減量は)きつかったですね。落とさないと恥ずかしい。パンツを脱いで計るのは絶対に嫌。気合で落としました」と安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。

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