セレス小林氏、井上尚弥の強さはしっかりとした土台と初回から出せる天性のハート

スポーツ報知
1回TKO勝利で3階級制覇の井上尚弥ベルトを高々と掲げる(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ダブル世界戦▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○井上尚弥(1回1分52秒 TKO)ジェイミー・マクドネル●(25日、東京・大田区総合体育館)

 3階級制覇した井上の強さは1ラウンドから何らちゅうちょなく、思い切りいけるところだ。当日の体重差でマクドネルが井上より約6キロ重く、身長差でも10センチ、リーチでは約12センチとサイズ的にも不利だった。そういう大きな相手には初回は様子を見るが、ためらわずいった。最初に打ち込んだ左ボディーで勝負はあった。続く左フックで相手のこめかみに当てて上体を崩すとプレスをかけ、左ボディーでダウンを奪取。一発ももらうことなく、まさに王者を撃破した。

 攻守のバランスがある上にパンチ力があり、さらに思い切りの良さと踏み込みの速さがある。階級を上げてもできるのは下半身、つまり土台がしっかりしているからだ。それらすべてを初回から出せるハートの強さも天性のものとしか言いようがない。

 WBSSではWBO王者のゾラニ・テテ(南ア)との対戦が注目だろう。17年11月に23年ぶりにボクシング史上最短の11秒でKO記録を更新したサウスポーの王者だ。長い距離から打ってくるのが特徴で、井上はそういう選手とは対戦したことがない。ぜひ世界をビビらせてほしい。(元WBA世界スーパーフライ級王者)

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