竹迫司登、連続KO記録は10でストップ AKBファンの異色ボクサーと引き分け

◆報知新聞社後援◇プロボクシング・ダイナミックグローブ▽日本ミドル級(72・5キロ以下)タイトルマッチ10回戦 王者・竹迫司登―同級1位・加藤収二(2日、東京・後楽園ホール、観衆1315)
日本ミドル級王者・竹迫司登(かずと、27)=ワールドスポーツ=が、引き分けで2度目の防衛に成功した。タイトル初挑戦の同級1位・加藤収二(28)=中野サイトウ=と打撃戦を繰り広げた末に三者三様のドロー。デビューから続く全勝全KOは「10」で止まった。竹迫の戦績は10勝(10KO)1分け、加藤は10勝(6KO)1敗2分け。
会場の雰囲気は加藤のホームだった。普段は秋葉原のAKBカフェで調理担当として働く異色の挑戦者が「恋するフォーチュンクッキー」の曲に乗って入場。応援団の大合唱で空気をつかんだ。初回から打ち合いとなり、竹迫は圧力を掛けてコーナーに追いつめても、相手の素早いジャブの連打とストレートを被弾。前後に距離を変える相手に「打ちづらい」とサウスポー攻略の糸口をつかめなかった。
後半に入っても手数を緩めない挑戦者の気迫に会場の熱気は急上昇。王者は自慢の強打を浴びせにかかったが、拳が空を切る場面も目立った。「相手は気持ちも折れない。ムキになって空振りした。自分は腰を落とせずに連打できなかった。向こうの作戦がはまった」と防衛しても反省ばかり。開始前からアウェーの雰囲気だったが「(加藤の)応援団はすごかったですね。でも、それがあったから(引き分けになった)とかではない。逆に燃えた。僕一人では会場を埋められないので、そういう意味ではうれしかった」と振り返った。
パーフェクトレコードは10でストップ。日本記録の15戦連続KO勝利を視野に入れていただけに「日本記録とか言っている場合じゃなかった。これを機に頑張りたい」と成長を誓った。加藤が再戦を臨んでいることを報道陣に伝え聞くと「僕ももう一回やりたい。勝ってないので。ここでつまずいていたら世界なんて言ってられない」と前向き。陣営の斎田竜也会長(45)も「是非。このままじゃ、男・竹迫は終われない。向こうは勝ったと思っている。きっちり白黒つけさせたほうがいい」と歓迎した。