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「ゆとり」と一線画す東福岡高ラグビー部の激しい競争

2017年1月11日16時0分  スポーツ報知
  • 優勝して、喜ぶ東福岡フィフティーン

 平成生まれです! そんな自己紹介をしても、チヤホヤされなくなってきた。少し前まで「若いな~」なんて言われたものの、そんな言葉も少なくなった。「ゆとり世代」―。言われた仕事はそつなくこなすが、言われたことしかやらない。マニュアル人間、授業は週休2日、円周率は3、怒られたら自分だけ「悲劇の主人公」になったかのような暗い顔をする。「これだから“ゆとり”は…」。何度も聞いた。

 そんな時代に反した子たちがいた。7日に花園で2大会ぶり6度目の優勝を飾った東福岡高のラグビー部だ。131人の部員の中から、伝統のジャージーを着られるのは25人だけ。部内ではAからFまでの6チームで入れ替え戦をし、自分がランク付けされる。17年連続花園出場とはいえ、チーム内の競争を勝ち抜いた猛者だけしか聖地でのプレーを許されない。2か月に1度の入れ替え戦は殺気立つという。

 同校の上杉慎二コーチは言う。「先輩がけがをして、(入れ替え戦で)上のチームの人数が足りないポジションに呼ばれることもある。そこでたまたま組んだメンバーと相性が良くて結果を出せる子がいたりする」。運も必要。逆を言えば、力があっても運悪くチャンスを逃すパターンがあり、けがで休んだ間に置いていかれることもあるわけだ。

 同コーチは続けた。「気を抜いたら、すぐに下に落ちる。“ゆとってる”場合じゃないですよ」。現3年生は平成10年度(1998年度)生まれ。箸本龍雅主将は「ヒガシと戦う相手はがむしゃらに頭から突っ込んでくる。たくさん苦戦した」と全国から追われるプレッシャーを明かした。中学1年からゆとり教育となった世代が07年度に花園を初めて制し、以降10大会で6度優勝。東福岡の激しい競争社会に、いわゆる「ゆとり世代」はいなかった。

 トップで活躍する人たちは、みんな競争を勝ち抜いているのだろう。それに比べて自分はどうか。大阪本社に勤めて3年。“弟分”としてかわいがられ、尻に火が付くことなくマイペースで過ごしてきた。あと数年もすれば、世の中はゆとり世代だらけになる。社会を支えるのは競争を勝ち抜ける人にお任せ? いやいや、自分も“ゆとってる”場合じゃない。(記者コラム・浜田 洋平)

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