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95年生まれの“黄金世代”大東大・谷萩の4年間…人一倍頑張る姿を応援したい

2017年11月16日16時0分  スポーツ報知

 思わずハグをした。先月、仙台市で行われた日本大学女子駅伝対校選手権前日の開会式後。大東大の谷萩史歩(4年)は、過去の自分と戦っていた。

 95年生まれの“チーム東京”は、中学時代からしのぎを削ってきた。リオ五輪代表の関根花観(はなみ、21)=日本郵政=、今季800メートルで日本選手権、日本学生対校選手権(インカレ)、愛媛国体の3冠を達成した日体大4年の北村夢、インカレ1500メートル女王、東学大4年の卜部蘭。中長距離選手として陸上部に所属していた中高生時代、私も1学年下の彼女らに、都大会決勝でめった打ちにされた記憶がある。3000メートルで9分15秒21の都高校記録(当時)を出した谷萩も黄金世代の一人だった。

 だが、大学入学後、谷萩は記録に伸び悩む。「高校生までは少年みたいな体で、勢いがあった」と体形の変化に戸惑ったこともあった。不運は重なり、初めて約2か月も練習できないけがをした。大学2年の3月、島根県松江市のハーフマラソンに出場した時だ。順調に走っていた10キロ手前、右足甲に激痛が走った。疲労骨折だった。痛みに耐えながら、残り十数キロを走りきったのは、負けん気の強さの表れだった。

 ほとんど故障なしの競技人生。思うように走れない時こそ前を向いた。寮周辺のジョギングでは、近所に住む方々に積極的にあいさつをした。立ち話や応援の声をかけられることが増え、走るのが楽しくなった。そんな日々の小さな出来事、全部が力になった。

 10月29日の日本大学女子駅伝対校選手権では4区を走り、チームは準優勝。来月30日に学生ラストレースとなる富士山女子駅伝を控え「思うように走れない時も、ずっとずっと応援してくれる人たちがいた。それに気が付くことができた大事な4年間」と振り返る。卒業後も競技を続け、いつかはマラソンに挑戦するという。

 「頑張ってね」と励まさなくても人一倍、頑張る選手。だから次に会った時も、私は何も言わずにハグをするだろう。(記者コラム・小又 風花)

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