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日本記録4連発、17歳・池江璃花子の「緊張」の正体

2018年1月18日13時0分  スポーツ報知
  • 2018年初戦を日本記録4連発で終えた池江璃花子

 緊張し過ぎて、うまく水をかけている気がしなくて…。

 アスリートは、緊張とは無縁ではいられないし、試合のたび、どうやって“お付き合い”を重ねていくかも、一つのテクニックだ。緊張が生じる原因は今さら言うまでもないけれど、たいていは周囲からの重圧や期待、あるいは自らの能力への不安といったものだ。

 1月14日、東京・辰巳。都の新春水泳競技大会で、17歳の池江璃花子は短水路で、2日間にわたり日本記録4連発という快進撃を見せた。泳いだのがそもそも4種目なので、“日本新率100%”という、とてつもない強さだった。

 全てのレースが終わり、冒頭のような初々しいコメントから、会見がスタートした。競泳選手はほぼ1年を通して大会に出続けているが、今回は2018年の初戦という節目。そんなこともあって硬くなったのかなと思ったのだけれど、彼女の場合はひと味違っていた。

 「周りの期待というのもあるし、自信がある中での緊張だった。絶対タイムが出るから、どこまで行けるんだろう、という自信の中での緊張だった」

 緊張の正体は、自らへの期待と自信が有り余っていたこと。そんな中で、初日は200メートル自由形と50メートルバタフライ、2日目は200メートル個人メドレーと100メートル自由形で記録を塗り替えたのだ。

 「無欲で」「あまり意識せずに」「楽しもう」といった自己暗示をかけるのではなく、「新記録を出したい」と公言し、重圧をまるごと抱えて泳ぎ、結果をきちんと出した。そこに、4つの記録の価値があると思う。

 初日の夜は、自らかけた緊張のため、なかなか寝付けなかったという。「結果が出てくれてよかった」。ホッとしたような笑顔は17歳のものだったが、それだけでは計れない、ある種のすごみに触れた気がしたのだ。(記者コラム 水泳担当・太田 倫)

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