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“2月の奇跡”鶴田、天龍が新日本の東京ドームに乗り込んだ日…金曜8時のプロレスコラム

2018年2月9日8時0分  スポーツ報知
  • 三冠ヘビー級王者時代の天龍源一郎(C)日本テレビ/テレビ朝日/新日本プロレスリング・天龍プロジェクト

 東京ドームが今年で開業30周年を迎えた。プロレス興行としては、開業2年目の1989年に新日本プロレスが4月24日に「格闘衛星☆闘強導夢」として初開催し、今年まで1月4日の開催(イッテンヨン・ドーム)が恒例行事になっている。1・4がスタートしたのは92年の「超戦士in闘強導夢」からで、90年は2月10日の「スーパーファイトin闘強導夢」、91年は3月21日「スターケードin闘強導夢」だった。

 中でも2月に行われた2・10は衝撃の大会だった。この時の話題は元横綱・北尾光司のデビュー戦(クラッシャー・バンバン・ビガロに勝利)が世間的には一番で、スポーツ報知も最終面で報じたが、プロレスファンを熱狂させたのは、敵対していた全日本プロレスから三冠王者のジャンボ鶴田、天龍源一郎、スタン・ハンセン、谷津嘉章、2代目タイガーマスク(三沢光晴)の緊急参戦だった。

 鶴田は谷津と組んで木村健吾&木戸修と対戦(鶴田が空中胴締め落としで木戸に勝利)、天龍は2代目タイガーと組んで、長州力&ジョージ高野と対戦(天龍が高野にリングアウト勝ち)、ハンセンはビッグバン・ベイダーのIWGPヘビー級王座に挑んだ(両者リングアウト)。全日本のジャイアント馬場会長が、新日本社長に就任した坂口征二氏への“ご祝儀”として選手を貸し出したと言われているが、新日本=テレビ朝日VS全日本=日本テレビの対抗戦だけに、ベイダーVSハンセン以外はテレビ局との契約問題でノーテレビだった。

 当時のビデオソフトからも排除されたが、DVD時代になってバップから発売された「天龍源一郎引退記念 全日本プロレス&新日本プロレス激闘の軌跡 DVD-BOX」(6枚組、2万4000+税)で、天龍組の試合が見られるようになった。

 全日本を離脱してからWAR時代以降の天龍が新日本のリングで試合することは珍しくなくなったが、この時のピリピリしている天龍の迫力はすごい。入場する時、花道に用意されたお立ち台を“演出不要”とばかりに脇を通過。ついついお立ち台に乗ってしまった三沢タイガーが天龍の態度に気付いてバツが悪そうに降りるシーンが面白かった。

 何より白い肌の天龍は、革命児の悲壮感があっていい。SWS以降は日焼け肌の天龍になっており、全日本時代の天龍が新日マットで躍動する唯一の試合だった。“表市場”では鶴田の試合は見ることができないが、いずれは解禁されることを願って、この日を東京ドームの“2月の奇跡”と呼びたい。(酒井 隆之)

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