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「平成の三四郎」Jr.らが初の全国大会へ~バルセロナ五輪柔道金メダリスト・古賀稔彦さん塾長「古賀塾」が悲願の神奈川県代表に

2018年4月27日17時12分  スポーツ報知
  •  全国少年柔道大会に神奈川県代表として出場する古賀(右上)が塾長を務める古賀塾の団体戦メンバー。(前列左から山口千弘、青木輝月、曽我健太、後列左から福島稜、竹内檜、鏑木克優、大西輝)

 92年バルセロナオリンピック柔道男子71キロ級金メダリストの古賀稔彦さん(50)が主宰し、塾長を務める「古賀塾」が、開塾15年にして初めて、全国少年柔道大会(読売新聞社など主催)に神奈川県代表として出場することになった。

 3月18日に行われた神奈川予選(県内強豪13チームトーナメント)で優勝し、悲願の全国大会への切符を手にした。現役時代は豪快な一本背負投が得意技で「平成の三四郎」の異名を取った古賀さん。「歴代の先輩たちがあと一歩のところでなし得なかった夢を後輩たちが実現してくれました」と感激しながらも、5月5日に柔道の総本山・講道館(東京・文京区)で行わる頂点を目指した戦いに向け、表情をキリリと引き締めた。2020年東京五輪パラリンピックを控え、古賀さんの門下生たちの台頭は日本の柔道界にとっても明るい話題だ。

 平成の三四郎Jr.たちが躍動した。全国大会を目指した予選。初戦の小川道場戦では、一進一退の攻防のなかでなんとか1対0で突破。2回戦の嶺心会戦は2対1、準決勝の寒川柔友会は3対1で決勝にコマを進め、朝飛道場との決勝戦。先鋒の曽我健太が負け、次鋒の山口千弘、中堅の青木輝月が引き分けに終わり、あと2試合残し、0対1となって重い空気が流れ始めた。しかし、古賀さんの現役時代を彷彿とさせる土壇場での精神力の強さは、キャプテン・鏑木克優にしっかりと受け継がれていた。副将戦に勝って1対1のタイに持ち込み、大将で副キャプテンの竹内檜が、豪快なはらい腰で一本勝ちし、見事に優勝を決めた。

 古賀さんの厳しい指導のもと、稽古に耐え、勝ちたいという選手全員の強い気持ちが、他の道場を上回った。一人ひとりがポイントゲッターになり、粘り強い戦いを見せ、1回戦から決勝まですべて接戦ながら、全員が一丸となって勝ち取った優勝は大きな価値あるものだ。「開塾して15年。塾生たちと共にたくさんの笑顔と汗と悔し涙を流しながら歩いてきました」と振り返った平成の三四郎も今年で51歳。愛弟子の5人に加え、リザーバーの福島稜、大西輝を含め、今の古賀塾の最強メンバーで全国大会に乗り込むことになる。「大会に向けて古賀塾教育理念である『精力善用-自他共栄』の精神を持って神奈川県の代表として正々堂々と大会に望んで参ります」と抱負を語った。

 「精力善用」「自他共栄」はもちろん、講道館柔道の創始者であり、柔道・スポーツ・教育分野の発展に寄与した柔道家・嘉納治五郎の行動哲学。柔道で鍛えた心と体を良いことに使い、相手を敬い、感謝することで信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけでなく他の人と助け合いながら良い社会をつくっていこうという理念は、古賀塾の厳格な規範でもある。柔道だけでなく人間育成にも尽力してきた古賀さんのスピリットと草の根活動は、2年後の東京五輪パラリンピックのみならず、未来のニッポンにいくつもの金メダルを生み出すことだろう。(記者コラム・加藤 洋明)

 ◇選手コメント

 ▼先鋒 曽我健太「先鋒としていい流れをつくれるよう全力で頑張ります」

 ▼次鋒 山口千弘「神奈川県の代表として今まで稽古してきたことを全部出して優勝目指して頑張ります」

 ▼中堅 青木輝月「他の神奈川のチームの思いも背負って優勝目指して頑張ります」

 ▼副将 鏑木克優「神奈川県の代表として、たくさん練習をし、優勝目指して頑張ります」

 ▼大将 竹内 檜「決勝戦で1本を取って優勝することができて良かった。全国大会では全員で力を合わせて頑張ります」

 ▼福島 稜「神奈川県全部のチームの思いを背負って頑張ります」

 ▼大西 輝「チームの一員として、いつでも出られる準備をしながら全力で応援します」

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