【高校駅伝】仙台育英、復活 女子歴代2位の1時間6分35秒で23年ぶりV 

スポーツ報知
仙台育英のアンカー・木村は一番ポーズで笑顔のフィニッシュ

◆全国高校駅伝(24日、京都・西京極陸上競技場発着=男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)

 女子は仙台育英(宮城)が1時間6分35秒の歴代2位のタイムで23年ぶり3度目の全国制覇。2年生の武田千捺主将と、3年生の三浦瑠衣副主将が中心になってチームをまとめ、前回15位からの大躍進を果たした。男子の仙台育英も2010年大会(4位)以来、7年ぶりの入賞となる3位。一関学院(岩手)もアンカー下舘真樹主将(3年)が区間賞の走りで、チーム史上最高の5位入賞を果たした。

 圧倒的な力で、23年ぶりとなる全国の頂点に立った。2位の長野東に1分6秒の大差をつけ、1996年に埼玉栄がマークした大会記録(1時間6分26秒)にあと9秒に迫る、歴代2位の1時間6分35秒で優勝。1年生ながら区間賞でゴールテープを切った木村梨七は「先輩たちが良い形でつないだので力を出せた」と満面の笑みだ。

 エースのケニア人留学生、ヘレン・エカラレ(3年)に「頼るチーム」から「生かすチーム」に変わった。前回は15位。新チームになって主将を決める際、最上級生となった三浦瑠衣は「3年生は3人しかいない。まとまりを出すには人数の多い(7人の)2年生から出した方がいい」と釜石慶太監督(30)に打診。武田千捺(2年)が選ばれた。

 就任当初こそ「正直、言いづらかった」という武田だが「声を出すこと」を意識して練習からチームを引っ張った。三浦も「任せて申し訳ないと思う分、私は結果で応える」と仲間を盛り上げ、チームを支えてきた。10月の県予選では全国最速の1時間7分30秒を記録。エカラレ以外の主力メンバーが全員出場した11月の東日本女子駅伝(福島)でも社会人や大学選手を相手に6位に入り、エカラレを生かす下地ができた。

 重ねた自信は都大路でも発揮。三浦が1区で7位でつなぐと、2区のエカラレも1年時に自らが打ち立てた区間記録を更新する12分25秒で首位に浮上。34秒差を鈴木理子(2年)、武田、木村の3人がいずれも区間3位以内の走りを見せ、ライバルを寄せつけなかった。「優勝はうれしいけど、これからも基本に忠実に練習をしていきたい」と武田主将。女王の座についてもおごることなく、挑戦者として走り続ける。(遠藤 洋之)

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