箱根駅伝区間エントリー発表 青学大は田村が3区、下田補欠 東海大は関1区、阪口2区 神奈川大は順当に山藤1区、鈴木健が2区

スポーツ報知
青学大・田村和希

 第94回箱根駅伝(来年1月2、3日)を主催する関東学生陸上競技連盟は29日、出場21チームの10区間と補欠6人の選手登録を発表した。青学大、東海大、神奈川大の「3強」は、それぞれの戦略で頂点を目指す。

 大会史上6校目の4連覇を目指す青学大は、学生3大駅伝8回出場中6回区間賞の「駅伝男」田村和希(4年)を3区に投入。田村は出場して優勝すれば史上13人目の4年連続Vメンバーとなる。エース区間の2区には前回4区2位の森田歩希(3年)が抜てきされた。マラソン10代日本最高記録(2時間11分34秒)保持者の下田裕太(4年)は補欠登録。当日の区間変更で4区、5区、あるいは8区の勝負所に投入される見込みだ。「ハーモニー大作戦」を掲げる原晋監督(50)は「ハーモニー指数は121%です」と自信を見せた。

 今季の学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月9日)を制した東海大は1区に関颯人、2区に阪口竜平、3区に鬼塚翔太、5区に松尾淳之介と「黄金世代」と呼ばれる2年生を往路の5区間中4区間に投入した。全日本大学駅伝(11月5日)で最終8区で、神奈川大の鈴木健吾(4年)に逆転を許し、2位となった川端千都(4年)をアンカーの10区に託し、悲願の箱根路初制覇を目指す。両角速監督(51)は「関、阪口、(鬼塚)翔太のSSSで行きます」と序盤の主力に期待した。

 全日本大学駅伝優勝の神奈川大は順当に前回と同じく1区・山藤篤司(3年)、2区・鈴木健を登録。前回、2区終了時点でトップに立った強力コンビで先行逃げ切りを狙う。5、6区にはそれぞれ未知数の潜在能力を持つ荻野太成(2年)安田共貴(2年)を抜てき。20年ぶり3度目の優勝は山の特殊区間が鍵に握る。「復路の1~2区間以外はしっかりはまった」と大後栄治監督(53)は自信の笑みを見せた。

 前回2位の東洋大はエースの山本修二(3年)を補欠に温存。当日変更で5区に投入されることが濃厚だ。酒井俊幸監督(41)は「練習はほぼ100%消化できている。体調不良者はいません」と順調に仕上がっていることを明かした。

 同3位の早大は主将の安井雄一(4年)が3年連続で5区に出陣。前々回5位、前回4位の実力者が伝統校を率いる。2区には太田智樹(2年)が抜てきされた。「往路の当日変更はありません」と相楽豊監督(37)は明言した。

 同4位の順大はリオ五輪3000メートル障害代表の塩尻和也(3年)が3年連続で2区を務める。補欠に登録された準エースの栃木渡(4年)は当日変更で1区を走る可能性が大きい。長門俊介監督(33)は「栃木はどの区間でも走れる。往路で攻めて、復路で守る」と戦略の一部を明かした。

 前回、9位と苦戦した駒大は、最近2年連続で2区を担ったエースの工藤有生(4年)が、つなぎ区間の7区に登録。大八木弘明監督(59)は「工藤は足の状態が良くなく、確実に走れる区間を選んだ」と厳しい表情で話した。

 予選会を4位通過した山梨学院大は、1区に今季絶好調の永戸聖(3年)、2区にケニア人留学生のドミニク・ニャイロ(3年)を投入。2区終了時点で首位を狙える可能性を持つ。上田誠仁監督(58)の次男で主将の健太(4年)は2年連続で5区の山上りに挑む。

 オープン参加の関東学生連合は、東大の近藤秀一(3年)が自身が熱望していた1区に登録された。正式な順位はつかないが、文武両道ランナーの力走が注目される。

 箱根駅伝は12月10日に16人を選手登録。同29日に1区~10区と補欠6人を登録する。往路(1月2日)、復路(1月3日)ともにスタート(午前8時)の1時間10分前に当日変更が可能。ただ、変更は区間登録選手と補欠登録選手の交代だけで区間変更はできない。交代は往路、復路合わせて4人まで。主力選手を補欠登録し、勝負区間に投入するなどの戦術的な理由による変更が可能なため、各校の駆け引きや当日変更のドラマも箱根駅伝の見所のひとつとなっている。

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