【箱根駅伝】インフルで欠場の東大・近藤、代役の芝浦工大・矢沢に感謝と感動

スポーツ報知
昨年10月の予選会で力走する東大・近藤秀一

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 予選会で敗退した大学の選手によって編成される関東学生連合チームの1区に登録されていた東大の近藤秀一(3年)はインフルエンザのため当日変更で欠場した。代役として矢沢健太(4年)が芝浦工大初の箱根ランナーとして出場。近藤は箱根町と隣接する静岡・函南町の実家でテレビ観戦。スポーツ報知の電話取材に答え、矢沢への感謝と来年大会に対する思いを明かした。

 自身が走るはずだった大手町~鶴見間の21・3キロ。近藤は悔しさをかみしめながら静岡・函南町の実家でテレビ観戦するしかなかった。12月30日夜にインフルエンザを発症。体温は40度まで急上昇した。

 「今、ようやく平熱に戻りましたが、走るのは無理でした。31日に欠場を決断しました。応援してくれていた人、期待してくれていた人に対して、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 自身の代わりに1区を走ったのは、芝浦工大の矢沢だった。関東学生連合チームは、昨年10月の予選会個人20キロと同11月の1万メートル記録挑戦会の合計タイムで出場10選手を選出した。1番手だった近藤に対し、矢沢は10番手とわずか0秒58差の11番手。僅差で逃したと思った大舞台が急きょ巡ってきた。箱根駅伝常連校の主力が繰り広げるハイレベルな戦いに矢沢は堂々と挑んだ。21・3キロの長丁場の5キロ通過、10キロ通過は、それぞれ5000メートル、1万メートルの自己ベストより速かった。

 「矢沢君は難しい状況にもかかわらず、しっかりと走る準備を整えていた。感動しました。ありがとう、と言いたい」

 関東学生連合は前回まで<登録を含む本戦出場が1回以内の選手>が対象だった。そのため、1、2年時に連合の登録メンバー(16人)に入りながら補欠に回った近藤は一度も箱根路を走らないまま前回限りで資格を失った。しかし、昨年7月、<本戦出場経験がない選手>に変更。みたびチャンスが巡ってきたが、まさかのアクシデント。小学生の頃から沿道で応援していた箱根駅伝に出場することは今回もかなわなかった。ただ、チャンスは残っている。

 「体調管理が甘かったことを反省しています。それでも、こんな自分でも応援してくれている方、期待してくれている方に来年、強くなった姿を見せたい」

 生まれ育った函南町は神奈川・箱根町と隣接している。近藤は体を回復させた後、近くて遠い「箱根への道」を走り始める。

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