【箱根駅伝】13年に創部の桜美林大、田部幹也が関東学生連合3区で出場し歴史刻んだ 

スポーツ報知
桜美林大で初めて箱根路を走った関東学生連合3区・田部

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 箱根駅伝は上位校以外の選手もさまざまな思いを抱えて走っている。スポーツ報知では往復路の両日、そうした選手にスポットを当て紹介。往路はオープン参加の関東学生連合3区の田部幹也(桜美林大3年)。所属する大学から初の箱根ランナーとなった。

 田部が桜美林大の名を箱根路の3区に刻み込んだ。21位でタスキを受け取り長い一人旅となったが「沿道の方も応援してくれてありがたかったし、うれしかった」と大声援を力に変えた。メンバーの中で1万メートルのタイムは11番目も、各校の主力が集結した区間で堂々と21・4キロを走りきった。

 人口約1万人の島根・奥出雲町出身。小学校の同級生は6人でコンビニは2軒しかない。実家から最も近い自動販売機まで約3キロもある。信号もない自然に囲まれた田舎で伸び伸び育ち「山の起伏があったりコースも自由自在」と、走ることが遊びだった。山で秘密基地を作ったり、タケノコを採って遊んだ。「自然児なんで」。山道や急坂など地形を生かして鍛えた強い足腰が、箱根へつながった。

 陸上部駅伝チームは13年に創部したばかり。かつて山梨学院大で4年連続2区を走った真也加ステファン氏(45)が監督に就任し、自身は2期生。「自分で考えて練習する環境がある。1人の人間としても成長した」。初の箱根で終了後には40分以上、仲間から着替えが届かないハプニングもあったが、全てが今後につながる経験だ。「他の部員も刺激されていると思う。自分が練習で存在感を示していきたい」。来年母校のタスキをつなぐための、大きな一歩を踏み出した。(小林 玲花)

 ◆田部 幹也(たなべ・みきや)1996年4月15日、島根県奥出雲町生まれ、21歳。長距離ランナーだった両親の影響で、中1から競技を始める。出雲工で2年時に全国高校駅伝に出場し、1区44位。166センチ、52キロ。特技は書道、ルービックキューブ。

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