【箱根駅伝】東洋大・酒井監督は大エースがいなくても勝つ方法を熟知…渡辺康幸監督の目

スポーツ報知
往路優勝し、表彰台でポーズをとる東洋大の(左から)酒井監督、西山、相沢、山本、田中

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 東洋大は区間配置が完璧だった。特に1~3区はお見事。ルーキー・西山の抜てきに加え、3区を務めた山本はアップダウンに強く適性があり、実績も上で2区向き。セオリー通りなら逆だが、相沢の飛躍ぶりを買ったのだろう。酒井監督は山の神がいる時の勝ち方、いない時のしのぎ方、大エースがいなくても勝つ方法を熟知している。一か八かの勝負に迷いなく出て、いい方向に出た監督力はすごい。

 酒井監督は、ダメなものはダメと指導できる厳しさがある。自分勝手な走りをさせず、チームプレーに徹底する育成で、練習通りのことを試合で出させている。一方で変化を受け入れる柔軟さもある。1度勝って、その方法を続けていると、そのうち勝てなくなる。青学大に3連覇を許し、練習メニューやスピード対策を変えていると聞く。常勝チームになるためには対応力が求められる。

 総合優勝の行方は6区に懸かっている。青学大は小野田で逆転しようとしてくるが、東洋大は特有の粘り強さ、競り合いの強さを発揮してくると思う。復路はいぶし銀の選手ぞろい。36秒のアドバンテージを生かして簡単に先行を許さず、7区以降へ流れがつながれば総合優勝も見えてくる。(前早大駅伝監督、住友電工監督)

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