【箱根駅伝】定石は“先手必勝”トップを走るチームの優位性を感じた…担当記者が分析

スポーツ報知
東洋大・西山和弥(中央左)、青学大・鈴木塁人(同右)らを先頭にスタートを切る各大学の選手たち

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 1区の18キロ手前から芦ノ湖のゴールまで約90キロ、東洋大がトップを走り続けた(1991年大会で東洋大の3区としてビリでタスキを受け、ビリでタスキを渡した私にとっては別世界の話だが)。4連覇を狙う王者・青学大は追いつけそうで追いつけない。トップを走るチームの優位性を改めて感じた。

 先頭を走る選手は序盤、設定ペースで落ち着いて走ればいいが、後続の選手はそうはいかない。無理をして突っ込み、後半にペースダウンして逆に離されるということが多々ある。結果的に設定ペースを守ることでタイムは良くなるが、そう簡単に事が運ばないのが駅伝。だからこそ「先手必勝」が定石なのだ。

 第1放送車は車体が大きいため、「風よけ」になると言われている。特に向かい風ではアドバンテージが大きくなる。テレビカメラの存在も大きい。「格好よく走ろうと思い、その結果、動きが良くなる」と青学大の原監督は言う。

 ここ数年、先頭の恩恵を最も受けたのが青学大だ。2015年は5区途中から、16年は全10区間、17年は3区途中からトップを走り続けた。前々回、前回ともに8区で首位を独走した下田裕太(4年)は、「この瞬間、全国生中継されていると思うと気持ちが上がります」と話す。

 青学大はトップを走れば強いが、追いかける展開では不安を残す。昨年11月の全日本大学駅伝では3位でタスキを受けた5区の下田が順位を一つ落とした。「追いかける展開では前との差が気になって走りに集中できない。トップでタスキを受けると、いい意味でレースに入り込みすぎない。リズムやフォームを確認できる余裕がある」

 3日の復路。東洋大に往路優勝をさらわれ、4年ぶりに追う立場となった青学大の真価が問われる。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)

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