【箱根駅伝】近藤、インフルで13年ぶり“東大ランナー”ならず「来年強くなった姿を見せたい」

スポーツ報知
東大・近藤秀一

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 2日に行われた第94回箱根駅伝で、関東学生連合の1区走者として、13年ぶりの“東大ランナー”となるはずだった近藤秀一(3年)がインフルエンザのため、当日変更になった。チームは往路21位相当で終えた。近藤は静岡・函南(かんなみ)町の実家でテレビ観戦。スポーツ報知の電話取材に、来年大会への思いなどを明かした。また、13年前の第81回大会で8区を走った東大出身で現在も市民ランナーとしてマラソンに出場する松本翔さん(32)は「気持ちを切り替えてほしい」と後輩にエールを送った。

 自身が走るはずだった大手町~鶴見間の21・3キロを、近藤は悔しさをかみしめながら、神奈川・箱根町と隣接した静岡・函南町の実家でテレビ観戦するしかなかった。昨年12月30日夜にインフルエンザを発症。体温は40度まで上がった。

 「ようやく平熱に戻りましたが走るのは無理でした。31日に欠場を決断しました。応援してくれていた人、期待してくれていた人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです」。第81回大会以来13年ぶりの“東大ランナー”は幻となった。

 代わりに1区を走ったのは芝浦工大の矢沢健太(4年)。昨年10月の箱根駅伝予選会で敗退したチームで編成される関東学生連合チームは、予選会個人20キロと同11月の1万メートル記録挑戦競技会の合計タイムで出場10選手を選出。1番手だった近藤に対し、矢沢は10番手と0秒58差で11番手。僅差で逃したと思った大舞台が急きょ巡ってきた。箱根駅伝常連校の主力が繰り広げるハイレベルな戦いに、5キロと10キロの通過は5000メートル、1万メートルの自己ベストより速かった。

 「矢沢君は難しい状況にもかかわらず、しっかりと走る準備を整えていた。感動しました。ありがとうと言いたい」

 小学生の頃から沿道で応援していた箱根駅伝出場は今回もかなわなかったが、次回にラストチャンスが残っている。「体調管理が甘かったことを反省しています。それでも、こんな自分でも応援してくれている方、期待してくれている方に来年、強くなった姿を見せたい」。ミスター文武両道ランナーは、箱根への道を走り続ける。(竹内 達朗)

 ◆関東学生連合 03~13年に編成された「関東学連選抜」を改め15年から再結成。予選会(20キロ)で敗退した大学から個人成績を参考に編成される。1校1人で外国人留学生を除き、過去の本戦出場がない選手に限定。近藤は登録されたが出場していないため次回もチャンスがある。チーム、個人とも順位がつかないオープン参加。07~13年は正式記録が認められ、最高成績は08年の4位。前回大会は20位相当だった。

 ◆近藤 秀一(こんどう・しゅういち)1995年7月27日、静岡・函南町生まれ。22歳。小3から陸上を始めた。韮山高3年時に、静岡県高校駅伝1区で区間賞を獲得。1浪して東大に入学。現在、工学部3年生。昨年10月の箱根駅伝予選会では59分54秒で個人20位と健闘。家族は両親と弟。173センチ、53キロ。血液型AB。

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