【箱根駅伝】山梨学院大・比夫見「マラソンで東京五輪を目指したい」

スポーツ報知
富士山をバックに初の箱根路へと駆け出す山梨学院大の6区・比夫見

◆報知新聞社後援 第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 2年連続の惨敗が、現実の厳しさを突きつけた。山梨学院は往路16位からの巻き返しを図ったが、復路5人全員が2ケタ順位と流れに乗れないまま11時間23分24秒でゴール。途中棄権を除き同校過去最低の18位でレースを終えた。5人中4人が箱根初挑戦のフレッシュなメンバーが懸命に走るも、戸塚中継所で無念の繰り上げスタート。悔し涙の染みこんだタスキを手に、2年連続で予選会から箱根路を目指す。

 最初で最後の箱根路を全力で駆け抜けた。6区(20・8キロ)の比夫見は16位でスタートすると、快調に山下り。7キロ過ぎに国学院大・臼井健太(1年)をかわし、順位を1つ上げて15位でタスキをつないだ。

 復路ではチーム最高となる区間13位の力走。それでも「シード権(10位以内)へ勢いをつけたかった。(順位を)2~3個は上げたかった。力は100%出したが、150%出さないといけなかった」と笑顔はなかった。

 過去3年は箱根駅伝だけでなく3大駅伝全てにエントリーすらされず、悔しい思いをした。16年に就任した北京五輪・男子マラソン日本代表の大崎悟史コーチ(41)から、現役時代の経験談を聞いて奮起。「強い選手が練習で1時間走ったら、オレは3時間走ってやろうと思うようになった」と努力を重ね、ラストチャンスをつかんだ。

 初の箱根を走り「何万人ものサポーターの中、幸せを感じながら走った。入学時は一番遅かったが、4年間で変われた。やればできる」と比夫見。今後は地元の大阪府警の試験を受け、陸上部に入りたいという。「未経験だけど、マラソンで東京五輪を目指したい。陸上をやめない限り、可能性はゼロじゃない」と、さらに大きな夢へスタートを切る。

(竹内 竜也)

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