兵庫が14年ぶりV 震災から23年、榎本監督「感動を与えたかった」…都道府県対抗女子駅伝

スポーツ報知
1着でゴールテープを切る兵庫のアンカー・福田有以は笑顔でガッツポーズ

◆第36回全国都道府県対抗女子駅伝(14日、京都・西京極陸上競技場発着=9区間、42・195キロ)

 兵庫が2時間15分28秒で14年ぶり4度目の優勝を果たした。6区・後藤夢(17)=西脇工=、7区・樽本知夏(18)=須磨学園高=、8区・石松愛朱加(14)=浜の宮中=の中高生が3人連続の区間賞。長崎は4区・広中璃梨佳(17)=長崎商=が区間新の快走で3位に入った。(曇り、気温5度、湿度50%、風速0・1メートル=スタート時)

 右手の人さし指を突き上げてナンバーワンを誇示し、兵庫のアンカー・福田有以(22)=豊田自動織機=が歓喜のゴールテープを切った。95年1月17日の阪神・淡路大震災から23年。就任3年目だが、兵庫代表チームに携わり四半世紀の榎本隆夫監督(57)は「全員が力を出し切った結果。震災と(日が近い)今大会は切っても切り離せない。何とかテレビに映る位置で走り続けて、兵庫県に感動を与えたかった」と感無量の面持ちだ。

 9区間全員が震災後に生まれた選手。その中でも若い力が爆発した。長崎から37秒差の2位でタスキを受けた6区の後藤が一気に2秒差に迫ると、同じ高校3年の7区・樽本がすかさず首位奪回。8区で中学2年の石松がさらに差を広げ、3人連続区間賞でVをたぐり寄せた。樽本は「(後藤は)ライバルだけど味方になると頼もしい。私も負けられなかった」と笑顔で、第1~9回大会を走った母・つぐみコーチ(49)=元ワコール=らに祝福された。

 次回大会は追われる立場。石松は「震災の話はミーティングで出る。私たちが全国の舞台で活躍して兵庫に元気を届けていきたい」ときっぱり。震災を風化させることなく、タスキをつないでいく。(田村 龍一)

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