箱根の名門・中大の名物キャプテン舟津が退任、新主将に関口が就任

スポーツ報知
退任することになった中大の名物キャプテン・舟津彰馬

 2年ぶり91回目の出場となった箱根駅伝(1月2、3日)で15位だった中大は、名物キャプテンの舟津彰馬(2年)が退任し、新主将として関口康平(3年)が就任したことが24日、分かった。

 ミーティングを重ね、新チームの体制が決定。「舟津は一選手として競技に集中し、日本トップクラスを目指してほしい。関口は一般入試を突破して入部した努力家で視野も広い。チーム全員がそれぞれの立場で成長し、次の箱根駅伝でこそ、シード権(10位以内)獲得を目指したい」と藤原正和監督(36)は話した。

 16年4月に就任した藤原監督は当時、緩んでいたチームの雰囲気を短期間で一変させるために1年生の舟津を主将に指名した。しかし、荒療治も実らず、16年10月の箱根駅伝予選会では次点の11位で落選。88大会ぶりに本戦出場を逃した。その直後、藤原監督は舟津に対し「一度、主将という重しを外し、伸び伸びと走ってほしい」という理由で退任を伝えたが、舟津は固辞。同じく主将に立候補した竹内大地(4年)と腹を割って話し合った結果、続投が決まった。舟津は抜群のリーダーシップでチームを引っ張り、昨年10月の予選会は3位で通過。2年ぶりの本戦復帰を果たした。

 今回の本戦では目標としていたシード権には届かなかったが、復活へ確かな一歩を記した。大会後、学年ミーティングとチーム全体ミーティングを重ね、関口が主将、中山顕(3年)が副将に就任することが決まった。

 1年前は主将退任を固辞した舟津も今回は納得したという。歴史的な敗北を喫した前回の予選会では「先輩たちを悪く言う人は僕が許しません!」と声を震わせながら絶叫し、一躍、中大の名物キャプテンとなった舟津は3年時はその任から離れ、一選手として飛躍を期す。「また、4年時には主将を務めることになると思うので、この1年は自分の競技に集中してほしい」と藤原監督は期待を込めて話した。

 新主将に就任する関口はチームメートの信頼が厚い人格者。千葉・幕張総合高から1浪を経て、一般入試を突破して入学。当初は伝統の「C」のユニホームの着用が許されない準部員だったが、地道な努力を重ね、3年時には予選会、本戦ともに登録メンバー入りする実力をつけた(いずれも出番はなし)。「中大は中間層の成長が鍵を握っている。関口自身がその中間層なので、主将、選手の両面でチームを引き上げてくれることを期待しています」と藤原監督は信頼する。

 副将の中山も一般入学から学生トップクラスに成長した努力家。「18年度の中大は泥臭く、勝負強いチームになります。全日本大学駅伝、箱根駅伝でシード権を獲得したい」と藤原監督は力強く話す。優勝(14回)、連続優勝(6回)、出場(91回)、連続出場(87回)の最多記録4冠を誇る名門は、復活の階段を上りつつある。

 ◆関口 康平(せきぐち・こうへい)1995年12月25日、千葉・東金市生まれ。幕張総合高から1浪を経て2015年に中大理工学部に入学。入学当初は準部員。今回の箱根駅伝では16人の登録メンバーに入ったが、出番はなかった。1万メートルの自己ベストは30分6秒97。170センチ、54キロ。

 ◆舟津 彰馬(ふなつ・しょうま)1997年9月25日、福岡市生まれ。20歳。中学時代はバスケットボール部。福岡大大濠高入学と同時に本格的に陸上を始める。3年時に全国高校総体1500メートル12位。16年に中大経済学部に入学。17年日本学生対校1500メートル優勝。今回の箱根駅伝は1区12位。1万メートルの自己ベストは28分35秒07。169センチ、56キロ。

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