【増田明美の目】松田瑞生はスター性もある　ただ者じゃない

◆第３７回大阪国際女子マラソン（２８日、ヤンマースタジアム長居発着～御堂筋・道頓堀橋南詰折り返し＝４２．１９５キロ）

　女子マラソン界にニューヒロインが誕生した。１７年ロンドン世界陸上１万メートル日本代表の松田瑞生（みずき、２２）＝ダイハツ＝が、初マラソン日本歴代３位となる２時間２２分４４秒のタイムで優勝。東京五輪代表２枠を決める「マラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）」（１９年９月以降）の出場権を獲得した。（曇り、気温５度、湿度４９％、北西の風１・２メートル＝スタート時）

　春の息吹を感じるようなレースでした。松田さんはこの先、２時間１０分台を目指せる潜在力があると思います。瀬古さんが言うように野口みずきさんに近い走りですが、上下動が少なくて力が蓄えられるフォームです。１０～２０年に１人というようなスター性もあるし、ただ者じゃない。強くて、明るく、面白い。こういう選手が出てくると、陸上界全体が華やぎますよね。

　今回の走りに、課題らしい課題は見えません。あとは場数です。スピードは絶対的な武器ですから、“４２・１９５キロを操る力”も身に付けてほしい。海外に行ってアフリカ勢の強さを肌で感じ、いろいろなレース展開に対応できる能力を養えればプラスになります。ＭＧＣ出場権をとれたので、高速レースのベルリン（９月）あたりで記録を狙うチャレンジも今後できるでしょう。（８４年ロス五輪代表、スポーツジャーナリスト）