松田瑞生、次戦日本記録で1億だ 9月ベルリンで野口超えプラン浮上

スポーツ報知
日本記録挑戦への奨励金500万円の目録を日本実業団陸上競技連合の西川会長(右)から受け取る松田(カメラ・田村 龍一)

 大阪国際女子マラソン(28日)を初マラソン日本歴代3位の2時間22分44秒で制した新星・松田瑞生(みずき、22)=ダイハツ=が、次戦は9月のベルリンマラソンに出場し、アテネ五輪金メダリスト・野口みずきさん(39)が2005年の同マラソンで樹立した日本記録(2時間19分12秒)に挑むプランが29日、浮上した。レースから一夜明け、大阪市内で会見。陣営は日本女子歴代1~3位の好記録が樹立された高速コースでのタイムへの挑戦を示唆した。

 故郷・大阪での初Vから一夜明けた29日、松田は眠い目をこすりながらも「『五輪に出る』から『五輪で戦う』に変わった」と、誓いを新たにした。初マラソンで2時間23分を切り、東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(19年9月以降開催)出場権を獲得。挑戦も許される立場となり、次戦は「未定」としながらも、「海外レースを経験したい。MGCまでにマラソンをハイペースで走りたい。失敗しても成功してもいい」と、意欲的に語った。

 次戦で最有力なのは海外の強豪が集うベルリンだ。所属のダイハツ・林清司監督(56)によると、アジア大会(8月・インドネシア)は回避の方針で、「速いレースで日本記録に挑ませたい。あるならベルリン」とした。ベルリンは女子の日本歴代3傑までのタイムが出た高速コース。前日の走りがアテネ五輪金メダリスト・野口みずきさんに似ているといわれた松田。ベルリン出場なら、名前の読みも同じ“みずき”の野口さんが持つ日本記録更新を視野に入れる。

 大きなニンジンもぶら下がる。東京五輪でのメダル獲得へ、実業団マラソン特別強化プロジェクト「エクシード」では、日本記録突破者が出た場合、選手に褒賞金1億円が贈られる。日本実業団陸上競技連合の西川晃一郎会長は、「松田選手は日本新も夢ではない」とエールを送った。

 この日はまず、今回の2時間23分切りに対し、日本記録挑戦への奨励金として500万円、監督・チームに250万円を贈られた松田。使い道を聞かれると、「貯金だと思う」とはにかんだ。私生活は堅実に、レースでは東京五輪に向け、果敢に挑戦を続けていく。(田村 龍一)

 ◆松田に聞く

 ―優勝から一夜明けて

 「体がバキバキという感じ。(40キロ走など)練習翌日はだるさが多いが、今は筋肉自体の疲労が大きい」

 ―優勝の実感は

 「まだ、あまり何も感じていない」

 ―昨夜はどう過ごしたか

 「睡眠は3時間半ぐらい。夢は見なかった。帰る準備とかで落ち着かなかった」

 ―祝福は

 「LINEが150件を超えていた。家族以外は返信できていない。普段は送って来ない子もいて、これだけみんながマラソンを見ていたんだなあと思った」

 ―腹筋女王という呼び名が知られた

 「(沿道から)レース中もところどころで『腹筋、腹筋』と言われ、意識した(笑い)」

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