日本新記録の設楽悠太、10キロ過ぎに「肉離れ」していた

スポーツ報知
スタート地点の都庁を背景に、1億円の目録を手に笑顔の設楽悠太(カメラ・小泉 洋樹)

 陸上のマラソン日本記録褒賞・奨励賞の表彰式が26日、都内で行われ、25日の東京マラソンで2時間6分11秒と16年ぶりに日本記録を更新した設楽悠太(26)=ホンダ=、日本歴代4位の2時間6分54秒で走った井上大仁(25)=MHPS=が出席。日本実業団陸上連合からボーナス1億円の目録を受け取った設楽悠は、9月16日のベルリンマラソン参戦を表明した。

 タイムより順位にこだわる男は昨年もハーフ日本記録(1時間0分17秒)を出した1週間後に出場し、2時間9分3秒で6位に入った。「これまで通り記録は狙わず、勝ちにいく」。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)や20年東京五輪の暑熱対策として夏場のレースも選択肢にあったが「夏に苦手意識はない選手なので」と小川智コーチ(39)。昨年2時間3分台が2人出た高速レースで世界と戦う経験を優先する。

 快挙から一夜明け「友人からのメッセージで徐々に(日本新の)実感が湧いた」。淡々と受け取った1億円の目録にも「心の中ではハンパなくうれしい」と笑顔も垣間見えた。

 今月上旬から右ふくらはぎに違和感があり、10キロ過ぎには「今までにない」痛みが走った。会見場で痛々しく引きずる右足は「おそらく肉離れ。今もズキズキしてる」と明かした。棄権も頭をよぎる状態だったが、「頑張ってくれた」と右足に感謝した。トラックシーズンの初戦は5月の「ゴールデンゲームズinのべおか」が濃厚。「今までより応援してもらえると思うので、期待に応えたい」と1万メートル日本記録(27分29秒69)の更新も視野に入れた。(太田 涼)

 ◆ベルリンマラソン 高低差約20メートルと非常にフラットで、ブランデンブルク門やベルリンの壁などの名所を走る世界屈指の高速コース。デニス・キメット(ケニア)が14年に2時間2分57秒の世界新記録を樹立するなど、世界歴代10傑のうち7つの記録はこの大会から出ている。日本女子では高橋尚子(01年)、渋井陽子(04年)、野口みずき(05年)が日本記録(当時)を樹立、現在も日本歴代1~3位のまま破られていない。

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