男子マラソン代表争い 11人が20代 伸びしろたっぷり

スポーツ報知
設楽悠太

 2020年東京五輪マラソン代表選考レースへの出場権を懸けたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)シリーズの“前半戦”が終わった。男子は東京で2時間6分11秒の日本新記録を樹立した設楽悠太(26)=ホンダ=ら若手の台頭もあり13人が、女子は6人がそれぞれ切符を獲得。MGC初年度を振り返り、収穫や課題、そして東京五輪金メダルへの道を探った。

 若き“原石”が可能性を示した。MGC出場権を獲得した全13選手のうち、11人が20代。16年ぶりに日本記録を更新した設楽悠を始め、17年ロンドン世界陸上代表の井上大仁(25)=MHPS=、米国を拠点にトレーニングする大迫傑(26)=ナイキ・オレゴンプロジェクト=らが男子マラソン界を引っ張る構図になった。

 伸びしろも十分ある。園田隼(28)=黒崎播磨=やMGC出場を表明していない川内優輝(31)=埼玉県庁=以外の11選手が、マラソン完走5回以内と経験も浅い中、日本歴代50傑に7人がランクイン。今後、ベルリン(9月)など海外の高速レース出場を視野に入れる選手も多く、さらなる記録が期待できる。特に設楽悠は10キロ付近で右ふくらはぎを肉離れしていたことを考えると、2時間5分台、4分台も狙える。

 勝負という点では村沢明伸(26)=日清食品グループ=が昨年8月の北海道を制したが、それ以外のレースでは優勝者が出ておらず「日本人トップ」止まり。しかし、30キロを過ぎた勝負どころまで食らいつければ、酷暑が想定される東京五輪で真価を発揮できるだろう。

 選考全5レースで基準突破者がいたことは、勝負強い選手が力を発揮した証しだ。場数を踏み、速さと強さを磨いた先に世界一が見える。(太田 涼)

 ◆MGCレースへの道
 東京五輪代表3枠のうち2枠を一発勝負で争うMGCレースへ出場するためには〈1〉来季のMGCシリーズで基準をクリアする、〈2〉ワイルドカード基準をクリアする、の2通りある。〈1〉は国内指定競技会(男子5大会、女子4大会)で大会ごとに定められた順位とタイムで走ることで出場権を得る。〈2〉は国際陸連公認の競技会で日本陸連の設定タイム(男子は2時間8分30秒以内、もしくは上位2レースの平均が2時間11分以内。女子は2時間24分以内、もしくは上位2レースの平均が2時間28分以内)を期間内にクリアするか、今年8月のアジア大会(ジャカルタ)で3位以内に入る必要がある。代表の残り1枠は、19年冬~20年春の選考レース(MGCファイナルチャレンジ=男女各3大会)を経て決まる。

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