【HAKONE LIFE】中大・山本亮氏、「こんな母校の姿嫌だ」引退し陸上部長距離コーチに就任

スポーツ報知
中大陸上部長距離ブロックコーチに就任した山本亮氏

 1月4日に届いた1通のメールで、人生が変わった。母校・中大が箱根駅伝で総合15位に終わった翌日、藤原正和監督(37)から「コーチとしてお願いしたい」と依頼が来た。「藤原監督とは昨夏に互いの現状や今後について少し話したんですけど…。驚きました」。昨季はけがに悩まされ、現役を続けるかどうか迷っていた矢先に届いたラブコール。1月下旬には所属チームにも意思を伝え、コーチ就任を決めた。

 12年ロンドン五輪マラソン代表として日の丸を背負った。藤原監督からも「世界と戦った経験や考え方を伝えてほしい」と期待は大きい。「口に出せなくても高い目標というか、自分の芯を持つことが必ず原動力になる」と熱いオリンピアン魂を学生にぶつける。

 88大会ぶりに母校が不在となった17年の箱根路を見て「こんな母校の姿は嫌だ。これは中大じゃない、と思った自分がいて。その時、初めて『ここで指導したい』っていう思いが芽生えた」。最多優勝14回を誇るが、頂点からは22年間も遠ざかっている。名門復活を託された男の胸には「C」のプライドが輝いている。

 ◆山本 亮(やまもと・りょう)1984年5月18日、神戸市生まれ。33歳。西神中から陸上を始め、3年時に全国中学選手権3000メートル5位。長田高を経て中大入り。箱根駅伝は1年8区11位、3年8区15位、4年5区3位。12年のびわ湖毎日マラソンで2時間8分44秒の日本人トップとなり、ロンドン五輪代表をつかんだ。

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