小川直也Jr.雄勢、史上初の全日本選手権親子Vで世界選手権初代表だ

スポーツ報知
会見でポーズをとる(左から)小川、原沢、王子谷(カメラ・清水 武)

 体重無差別で柔道日本一を決める全日本選手権は29日、東京・日本武道館で世界選手権(9月、アゼルバイジャン・バクー)100キロ超級代表選考を兼ねて行われる。前日の28日には都内の講道館で有力選手が会見。過去7度の優勝を誇る1992年バルセロナ五輪銀メダリスト小川直也氏(50)の長男、雄勢(ゆうせい、21)=明大=は、3度目の出場で史上初の親子2代制覇に意欲を見せた。

 偉大な父とともに柔道史に名を刻む大勝負へ、雄勢は「自分の名前を残せるよう頑張る」と、威勢良く意気込んだ。大学4年で全日本出場は3度目。優勝すれば明大4年時に初制覇した父に並ぶ。1948年に始まった伝統の大会で、日本男子にとっては五輪、世界選手権と並ぶ3大タイトル。5連覇を含む優勝7度という父の記録については、「いろいろすごいものがあるけど、そこを意識したらキリがない」とし、「自分が勝つってことだけを目標に試合をしたい」と語った。

 初出場の2016年は5位。「痛い目にあった」という昨年は3回戦敗退だったが、この1年で国内外の強敵を脅かす存在となった。昨秋から講道館杯全日本体重別選手権とグランドスラム東京大会を連続優勝。8日の全日本選抜体重別選手権では、準決勝で全日本2連覇中の王子谷剛志(25)=旭化成=、決勝で16年リオ五輪銀の原沢久喜(25)=日本中央競馬会=と、ともに昨年の世界選手権代表を連破した。

 191センチ、135キロ。父から受け継いだ大きな体と、持ち前のパワーに頼った雑な戦いが目立ったが、父の助言もあり、丁寧な組み手を心がけるようになった。技を受け後手に回ることが減り、相手の奥襟をつかんで前に出る攻撃力にも磨きがかかってきた。「ぶっつけ本番」だった昨年大会の反省から、対戦相手研究と対策も徹底。課題の一つ、技によるポイント取りも「(選抜体重別では)技をつないで最後は大外刈りに持っていく連係もできてたし、形となって出せれば。そういう進歩が大事」と意識した。

 優勝なら世界選手権初代表切符が見える。「僕の目標は世界一なんでね」と雄勢。20年東京五輪にもつながる道を切り開いていく。(小河原 俊哉)

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