中3男子・岩崎、骨折も泳ぎ切った

スポーツ報知

◆アーティスティックスイミング ジャパンオープン兼日本選手権第2日(28日、東京・辰巳国際水泳場)

 シンクロナイズドスイミングから改称して初となる国内での主要大会で、混合デュエットのテクニカルルーティン(TR)にジュニア日本代表の男子・岩崎尽真(じんま、14)=楓心舘ク=、宮内花菜(16)=アテナアクアメイツ=組が初出場し、76・1829点で4組中4位だった。デュエットのTRは日本代表の乾友紀子(27)、中牧佳南(25)=ともに井村ASク=組が91・0427点で制したが、井村雅代ヘッドコーチ(HC、67)は辛口評価で、ペア解消までほのめかした。

 まだ競技歴は2年ちょっと。中学3年の岩崎が、国際舞台デビューした。「緊張で死ぬかと思った。口から心臓が飛び出るかと…」。正直過ぎる感想を漏らした。

 15年の世界選手権で初採用された混合デュエットは、7月の世界ジュニア(ブダペスト)でも正式種目になった。岩崎は2月の選考会をクリアし、2歳上の宮内とのコンビが誕生。「焦らず落ち着いて」と声をかけ合い、マイケル・ジャクソンの曲をアレンジしたメドレーに乗り、会場を沸かせた。

 大会前、右足首の剥離骨折が判明。「痛み止めがあまり効かなくて…」と、ド根性だけで泳ぎ切った。小学時代は競泳も習っていたが、6年生の冬、通っていた小学校で開かれたシンクロ教室がきっかけで転向した。「難しい振り付けができると達成感を味わえる」。男子のAS選手はまだ少ないとはいえ、将来五輪で採用される可能性だってある。「もし正式種目になったなら、金メダルを取れる選手になりたい」。新星が、でっかい夢を追う。(太田 倫)

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