東洋大の“駅伝未経験ルーキー”鈴木宗孝が自己ベスト1分21秒更新

スポーツ報知
東洋大の鈴木宗孝

 陸上の平成国際大長距離競技会が29日、埼玉・鴻巣市立陸上競技場で行われ、東洋大のルーキー鈴木宗孝が1万メートルで自己ベストを1分21秒37更新する29分17秒89の好記録をマークした。神奈川の氷取沢(ひとりざわ)高時代は、1年冬までサッカー部に所属し、陸上部に転部した後も「高校時代は朝練習をしたことはありません」という“変わり種”。氷取沢高校の長距離選手は4人しかいなかったため、駅伝を経験したことがほとんどないが、早くも大学ルーキーとしてはトップレベルの1万メートル29分10秒台をマークした。潜在能力が未知数の鈴木は「今、具体的な目標はありません。毎日、一生懸命、楽しく陸上に取り組むだけです」と謙虚に話した。

 東洋大が箱根駅伝初優勝を果たした2009年大会に2区を務めた山本浩之(31)=現コニカミノルタ=も埼玉・川口北高時代はサッカー部所属で大学入学後に本格的に陸上を始め、1万メートル27分55秒40、マラソン2時間9分12秒と日本トップレベルの選手に成長した。山本をほうふつとさせる鈴木に対し、酒井俊幸監督(41)の期待は大きい。「いい意味で陸上の知識がないから、今、貪欲に陸上を学んでいる。無欲な姿勢もいい。伸びしろがたっぷりと残っています」と高く評価する。能力の一端を披露した“秘密兵器”は、5年ぶり5度目の箱根王者奪回へ“切り札”となる可能性を秘めている。

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