山県、10秒17でV ケンブリッジ撃破

スポーツ報知
男子100メートルで優勝した山県亮太(右)と2位のケンブリッジ飛鳥が健闘をたたえ合った

◆陸上 織田記念国際最終日(29日・エディオンスタジアム広島)

 男子100メートル決勝で、2016年リオ五輪400メートルリレー銀メダルの山県亮太(25)=セイコーホールディングス=が、10秒17(追い風1・3メートル)で2年ぶりに優勝した。同じくリオ銀メンバーのケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ=が10秒26の2位で続いた。女子100メートル決勝は、昨季日本選手権で無冠に終わった日本記録保持者の福島千里(29)=セイコーホールディングス=が11秒42(追い風1・3メートル)で優勝。完全復活へ、順調な一歩を印象づけた。

 山県はリアクションタイム(号砲への反応時間)で最速の0秒122。抜群の反応で握った主導権を生かし、中盤以降も先頭を走った。ケンブリッジを0秒09差で振り切り「厳しいレースだった。優勝できたことに満足している」と素直に喜んだ。

 世界陸上がない今季は、8月のアジア大会(ジャカルタ)が最大の目標。最終選考会の日本選手権(6月、山口)は代表2枠をめぐる激戦で、3枠の世陸より狭き門だ。仲田健トレーナー(48)も「タイムも大事だけど、日本選手権で勝たないと(代表に)選ばれない。絶対にケンブリッジも出てくるわけだから、心理的に優位に立っておかないといけない」と前哨戦の意義を強調した。次戦はセイコーゴールデングランプリ大阪(5月20日、ヤンマー)。日本記録保持者の桐生祥秀(日本生命)に加え、自己ベスト9秒74のガトリン(米国)も参戦する。「日本人1位じゃなく、優勝を目標にしたい」。勝ちを重ねた先に9秒台も見えてくる。(細野 友司)

 ◆ケンブリッジ、伸び欠き2位

 持ち味の中盤以降の伸びを欠き、先行した山県をとらえ切れなかった。「予選(10秒25)よりタイムを落としたのが残念。感覚とイメージのズレがある」と振り返った。昨オフは米国で約4か月の冬季練習を行い、スタート面などの改善に取り組んできたが「(米国で)学んだ部分が、まだ出せていない」。次戦は静岡国際(5月3日)の200メートルに参戦予定だ。

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