東京五輪金へ、サニブラウンが7月に400メートルリレー代表デビュー

スポーツ報知
サニブラウン・ハキーム

 17年ロンドン世界陸上男子200メートル7位のサニブラウン・ハキーム(19)=米フロリダ大=が、今夏に400メートルリレー代表デビューを飾る可能性が6日、浮上した。7月21~22日のダイヤモンドリーグ(DL)ロンドン大会に日本代表の参戦が内定し、日本陸連関係者はサニブラウンの招集に前向きな考えを示した。20年東京五輪金メダルへ、世界陸上200メートルの最年少ファイナリストが戦力に厚みをもたらせば、大きな追い風となる。男子400メートルリレー代表はこの日、都内で強化合宿を公開した。

 15年世界ユース短距離2冠のサニブラウンが、東京五輪金を狙う「リレー侍」デビューを飾る可能性が出てきた。15、17年の世陸代表は経験したが、リレー種目はけがなどで不出場。バトンパスの呼吸を合わせるため、五輪&世陸に次ぐ最高峰シリーズのDLは貴重な実戦の場になる。実現は大学側との交渉次第になるが、日本陸連関係者は「速い選手なので、本当は世陸でも走ってもらいたかった。NCAA(フロリダ大での試合)も全米学生選手権(6月)で一段落するので」と希望を持っている。

 100メートルで日本歴代6位の10秒05を持つサニブラウンは、昨秋から米フロリダ大が拠点。時差や長距離移動の影響で、国内大会や合宿への頻繁な参加は難しい一方、東京五輪へは紛れもない戦力だ。土江寛裕・五輪強化コーチ(43)も「どこかで(リレーに)合わせる方法を考えたい」と話していた。7月10~15日にはサニブラウンが代表入り確実のU20世界陸上がフィンランドで開催。米国への帰途に英国でDLに参戦するプランに支障は少ない。

 土江コーチはDLへ「アジア大会代表(6月決定)が中心のベストメンバーになるが、20年を見据えて(チームに)置いておきたい選手もいる」と述べた。DL個人種目の100メートルや200メートルに出場できるかは未定ながら、リレーは桐生、山県ら代表主力と、新戦力のサニブラウンが融合した最強布陣で臨む考えだ。DLロンドン大会は欧州選手権(8月7~12日、ドイツ)の前哨戦として、英国、フランスなど欧州強豪国の参戦が見込まれる豪華レース。世界陸上の開催がない今季、絶好の腕試しの場となる。

 ◆ダイヤモンドリーグ 国際陸連(IAAF)主催の14戦からなる最高峰リーグ。五輪、世界陸上に次ぐ格付けで各国の有力選手が参戦。ほとんどの種目に予選がなく一発決勝で行われるため、出場者は各種目のトップ選手に厳選される。五輪、世陸と異なり、国別の出場枠に制限がないのも特徴。今季日本勢は第2戦の上海大会(12日、中国)の男子100メートルに桐生祥秀(22)=日本生命=が出場する。

スポーツ

×